X凍結解除のあとにやること 届いたメールの確かめ方から、再凍結を防ぐ1週間の過ごし方まで
「突然だったんですが」「いきなり解除されました」。凍結の解除をご報告くださる方の多くが、こうした言葉で書き出されます。異議申し立てを出してから何週間も音沙汰がなく、半ばあきらめかけたころに、一通のメールで知らせが届く。弊所が日々目にしている解除の届き方は、たいていこのようなものです。
アカウントが戻った直後は、安心して手続きを終えてしまいがちです。けれども、届いたメールの確認、関係するアカウントの点検、設定の見直しなど、復旧の直後だからこそやっておきたいことがいくつかあります。凍結の原因が残ったままでは、せっかく戻ったアカウントが、同じ理由で再び止められるおそれもあります。
リーリエ行政書士事務所は、事業会社の側で凍結や利用停止に関する書面を受け取り、対応方針を検討する審査業務に関わってきました。この記事では、依頼者の方から実際に届いたメッセージを紹介しながら、解除の知らせを受けたあとに確かめたいことと、再凍結を防ぐための対策を整理します。
掲載したメッセージと通知は、お名前・アカウント名・アイコンを伏せています。ここに挙げたのは復旧に至った事例の一部で、すべてのご依頼で同じ結果になるわけではありません。解除の時期や理由についての見立ては依頼者の方によるもので、運営会社が理由を明らかにしたものではありません。
この記事で確認すること
1 解除の連絡は、予告なく届く
2 なぜ解除されたのかは、たいてい知らされない
3 まず、届いたメールが本物かを確かめる
4 復旧直後は、一部の機能が動かないことがある
5 関係する別のアカウントも確認する
6 復旧後に見直しておきたい設定
7 再凍結のリスクと、その対策
8 通知メールは、解除されたあとも残しておく
9 よくある質問
1 解除の連絡は、予告なく届く
凍結の解除は、事前に「そろそろです」と知らされるものではありません。ある日、運営会社からメールが届き、ログインしてみると元どおり使えるようになっている。依頼者の方からのご報告も、ほとんどがそうした驚きから始まります。

*お名前とアイコンは伏せています

*お名前とアイコンは伏せています

*お名前とアイコンは伏せています
メールでご報告をいただくこともあります。いずれも、運営会社からのメールをきっかけに解除を知ったという流れは共通しています。

*お名前は伏せています
Instagramでも同じです。停止が解かれたことを、しばらくたってから知らせてくださる方もいます。

*お名前とアイコンは伏せています
2 なぜ解除されたのかは、たいてい知らされない
解除を知らせるメールには、どの申し立てが、どのような理由で認められたのかまでは書かれていないことがほとんどです。次のメッセージをくださった方も、解除のきっかけが何だったのかはわからない、と率直に書かれていました。

*お名前とアイコンは伏せています
これは弊所にとっても同じです。凍結を解除するかどうかを判断するのは運営会社であり、申し立ての書面がどの程度その判断に影響したのかを、外から確かめる方法はありません。弊所が「この書面を出せば解除される」とお約束しないのは、そのためです。
3 まず、届いたメールが本物かを確かめる
解除の知らせを待っているときは、運営会社を名乗るメールが届くと、すぐにリンクを開きたくなります。けれども、凍結や乗っ取りに悩んでいる人を狙った偽のメールもあります。本文を読む前に、差出人を確かめる習慣をつけておくと安心です。

*Xのサポートから届いたメールの差出人欄。メールソフトによっては、送信元の認証情報も確認できます
確かめたいのは、次の三つです。
1表示名だけで判断せず、差出人のアドレスが運営会社のドメインから送られているかを見る
2メールソフトに認証情報の表示がある場合は、送信元の認証に問題がないかを確かめる
3メールのリンクからではなく、ふだん使っている公式アプリや、自分でブックマークした公式サイトからログインする
メールのリンク先でパスワードや認証コードの入力を求められても、入力しないでください。解除を装った偽のメールで、取り戻したばかりのアカウントを再び奪われるおそれがあります。
4 復旧直後は、一部の機能が動かないことがある
ログインできるようになっても、すべての機能がすぐに元どおりになるとは限りません。次の方は、永久凍結の解除を確認したあと、投稿や他のアカウントの閲覧はできるのに、検索だけがエラーになる状態でした。

*お名前とアイコンは伏せています
こうした状態は、解除の直後に見られることがあります。慌てて設定を何度も変えたり、申し立てを重ねたりする前に、まずは数日様子を見ることをおすすめしています。時間をおいても戻らない場合は、どの機能が、いつから、どのような表示で使えないのかを記録したうえで、運営会社のヘルプから問い合わせると、状況を伝えやすくなります。
5 関係する別のアカウントも確認する
メインのアカウントが戻っても、それで問題がすべて片づくとは限りません。次の方は、凍結の原因になった別のアカウントが、第三者に二段階認証を設定されたまま、ご本人がログインできない状態で残っていました。

*お名前・アイコン・アカウントのリンクは伏せています
第三者に乗っ取られたままのアカウントがあると、そこからの投稿やメッセージが、ご本人の他のアカウントにまで影響するおそれがあります。総務省も、SNSのアカウントが乗っ取られた場合には、速やかに運営会社へアカウントの停止を依頼するよう案内しています。
メインのアカウントが戻ったときこそ、同じメールアドレスや電話番号を登録している他のアカウントと、連携しているアカウントの状態も、あわせて確かめてください。
6 復旧後に見直しておきたい設定
アカウントにログインできたら、次の点を順に確かめてください。凍結の理由が乗っ取りであっても、運営会社の誤判定であっても、見直す価値のある項目です。
見直す項目確かめることメールアドレスと電話番号登録されているものが、いまも自分で受け取れるものになっているかパスワード他のサービスと使い回していない、新しいものに変えたか二段階認証設定しているか(総務省も、できる限り多要素認証を設定するよう呼びかけています)連携アプリとログイン中の端末身に覚えのない連携アプリや、見知らぬ端末が残っていないか表示名とプロフィール他の人や団体と紛らわしい書き方になっていないか。これらは最低限確認すべき項目です。
*凍結の理由にかかわらず、復旧直後に一度確かめておきたい項目です
最後の項目は、「偽装行為」を理由に凍結された場合に特に関係します。Xの凍結通知には、違反とされたルールの名前が書かれていることがあります。

*Xから届いた凍結通知の例。アカウント名等は伏せています
偽装行為が理由とされていた場合は、解除されたあとも、表示名やアイコン、自己紹介の書き方が誤解を招くものになっていないかを見直しておくと、同じ理由で再び制限される可能性を下げることにつながります。
7 再凍結のリスクと、その対策
凍結が解除されたということは、運営会社が当初の判断を見直したということです。ただし、それは「このアカウントはもう安全だ」というお墨付きではありません。凍結の原因になった状態がそのまま残っていれば、同じ理由で再び止められることがあります。
しかも、2回目の凍結は1回目より厄介です。一度は見直しを求めて認められた経緯があるため、同じ説明では通りにくく、前回とは何が違うのかを示さなければならないからです。再凍結は、解除の直後こそ防いでおきたいリスクです。
再凍結につながりやすい四つの場面
| 場面 | 起きやすいこと | 対策 |
|---|---|---|
| 解除直後の操作 | 止まっていた間の分を取り戻そうと、連続投稿や大量のフォロー・いいねをしてしまう | 最初の数日は閲覧と少数の投稿にとどめ、操作の量を少しずつ戻す |
| 凍結理由が残っている | 違反とされた表示名・プロフィール・投稿の書き方が、解除前と同じまま | 通知に書かれたルール名を確かめ、それに当たると受け取られそうな部分を見直す |
| 外部ツール・連携アプリ | 自動投稿や自動フォローのツールが、解除後も動き続けている | 連携アプリを一度すべて確かめ、使っていないもの・心当たりのないものを外す |
| 乗っ取りの入口が残っている | 漏えいしたパスワードや、乗っ取られたままの別アカウントから、再び不正な投稿がされる | パスワードの変更と二段階認証の設定を済ませ、関係するアカウントも点検する |
*弊所へのご相談の内容にもとづく整理です
新しいアカウントで活動をつながない
凍結されている間、新しいアカウントを作って活動を続けようと考える方もいます。けれども、先に掲げたXの凍結通知にも、新たなアカウントを作って凍結を回避しようとした場合は、その新しいアカウントも凍結すると書かれています。
解除を待つ間に作ったアカウントがある場合は、元のアカウントが戻ったあと、どちらをどう使うのかを整理しておくことが大切です。同じ人が複数のアカウントを持つこと自体が直ちに問題になるわけではありませんが、凍結の回避と受け取られる使い方は、元のアカウントにまで影響するおそれがあります。
再び凍結された場合は、慌てて異議申し立てを何度も送る前に、前回の凍結・解除の通知と、その後に見直した内容を手元にそろえてください。「前回と何が違うのか」を説明する材料になります。
解除後1週間の過ごし方の目安
解除当日メールの真偽を確かめ、公式アプリからログインする。パスワードの変更、二段階認証、登録情報と連携アプリの確認を済ませる
2〜3日目閲覧を中心にし、投稿は少数にとどめる。フォローや連続投稿は控え、使えない機能があれば記録しておく
1週間前後様子を見ながら、ふだんの使い方に少しずつ戻す。凍結理由に関わる表示や投稿の仕方は、見直した状態を保つ
*日数は弊所の実務上の目安です。運営会社が示している基準ではありません
8 通知メールは、解除されたあとも残しておく
アカウントが戻ると、凍結を知らせたメールや、やり取りの記録を削除したくなるかもしれません。けれども、これらは残しておくことをおすすめします。万が一ふたたび制限を受けたとき、いつ、どのような理由で凍結され、いつ解除されたのかを説明する材料になるからです。
Instagramの停止通知には、異議を申し立てられる期限が書かれていることがあります。次の例では、通知が届いた日からおよそ半年後の日付が示されていました。

*Instagramから届いた一時停止の通知の例。アカウント名等は伏せています
残しておきたいのは、凍結・停止の通知、異議申し立ての控え、運営会社とのやり取り、解除の通知の四つです。メールはフォルダにまとめ、画面に表示されたメッセージはスクリーンショットで残しておくと、後から経緯をたどりやすくなります。
9 よくある質問
Q解除のメールが届いたのに、一部の機能が使えません。
A解除の直後は、検索など一部の機能が使えない状態が見られることがあります。まずは数日様子を見て、それでも戻らない場合は、使えない機能と表示されるメッセージを記録したうえで、運営会社のヘルプから問い合わせてください。
Q一度解除されたアカウントが、また凍結されることはありますか。
Aあります。凍結の原因になった状態が残っていたり、解除直後に操作が集中したりすると、再び制限を受けることがあります。2回目は「前回と何が違うのか」を示す必要があり、1回目より解除が難しくなりがちです。解除の直後こそ、原因の見直しと控えめな運用を心がけてください。
Q解除されたので、凍結の通知メールは削除してもいいですか。
A削除せずに残しておくことをおすすめします。再び制限を受けた場合に、これまでの経緯を示す資料になります。
Qメインのアカウントは戻りましたが、別のアカウントが乗っ取られたままです。
A乗っ取られたままのアカウントは、運営会社に停止を依頼することを検討してください。あわせて、そのアカウントと同じメールアドレスやパスワードを使っているサービスがないかを確かめ、変更しておくと安心です。
Q復旧したら、すぐに元どおり使っても大丈夫ですか。
A解除直後は、しばらく投稿やフォローの操作を控えめにすることをおすすめしています。あわせて、二段階認証の設定とパスワードの変更を行ってください。
まとめ
凍結解除の知らせは、予告なく、メール1通で届くことがほとんどです。理由までは書かれないのが普通で、解除されたからといって、アカウントがもう安全だというわけではありません。
知らせが届いたら、まずメールの差出人を確かめ、公式アプリからログインしてください。そのうえで、登録情報、パスワード、二段階認証、連携アプリ、関係する別のアカウントを見直します。解除直後の数日は操作を控えめにし、凍結の理由になった部分を取り除いておくことが、再凍結を防ぐいちばんの近道です。
そして、凍結と解除の通知、やり取りの記録は、解除されたあとも削除せずに残しておいてください。万が一のとき、事情を正確に伝える材料になります。
*参考資料:総務省「公式アカウントが乗っ取られた」(国民のためのサイバーセキュリティサイト)
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執筆・運営について
リーリエ行政書士事務所
SNSアカウントの凍結解除・乗っ取り復旧を専門とする行政書士事務所です(東京都行政書士会所属)。弊所の業務範囲は、事実関係と証拠の整理、申立書面・通知書面・開示請求書面等の作成までです。


