Xの利用規約は「契約」なのか?無料のSNS利用の法的性質を考える

公開2026年11月7日

Xは無料で使えるサービスです。そのため、アカウントが凍結されたときに「お金を払っていないのだから、何も言えない」とあきらめてしまう方がいます。反対に、「これは契約違反だ」と強い調子で訴えようとする方もいます。どちらも、半分は当たっていて、半分は外れています。

無料のSNSでも、利用者と運営会社との間には契約が成立していると考えるのが一般的です。ただ、契約だからといって、すぐに「凍結は許されない」という結論が出るわけではありません。どんな中身の契約なのか、運営者の裁量はどこまでか、どの国の法律で考えるのか。考え方の分かれる点がいくつもあります。

この記事では、Xの利用を契約として見たときの論点を5つ取り上げ、それぞれ対立する考え方を並べます。そのうえで、凍結の解除を求める書面で、契約の考え方をどう生かすかを整理します。

はじめにご注意ください

1この記事は、2026年11月時点の法令と公表資料をもとにした一般的な整理です。個別の事案で、どの法律がどう適用されるかを判断するものではありません。

2Xの利用規約は、予告のうえで改定されます。規約の条項に触れるときは、その時点の規約を確かめてください。

3「契約違反」「法的措置」といった言葉を並べて解除を迫る申立ては、かえって検討を慎重にさせることがあります。送る前に、事実が整理できているかを確かめてください。

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先に、この記事の要点

1無料のSNSでも契約は成立し、利用規約は契約の内容になる

2ただし、運営者の裁量は広く、日本の法律がそのまま使えるとも限らない

3書面で生きるのは、法律論そのものより、運営者の判断の前提になった事実の誤りを示すこと

契約の考え方は、申立ての「武器」というより、何を書けば検討してもらえるかを見極めるための「地図」として使うのが現実的です。

この記事で確認すること

1 Xの利用は、どんな契約なのか
2 無料でも「契約」といえるのか(論点1・2)
3 凍結は運営者の自由なのか(論点3)
4 どの国の法律で考えるのか(論点4)
5 誤判定や乗っ取りによる停止をどう位置づけるか(論点5)
6 受け止める側は「契約の主張」をどう読むか
7 ご相談でよくある経過
8 よくある質問
9 参照した公的資料

1 Xの利用は、どんな契約なのか

Xのアカウントを作るとき、利用者は利用規約に同意します。この時点で、利用者と運営会社であるX Corp.との間に、サービスの利用についての契約が成立すると考えられます。売買や賃貸借のように民法に名前のある契約のどれにも当てはまらない、いわゆる無名契約で、サービスを継続的に使わせる関係です。

ただ、SNSの契約は、利用者とXの二者だけで完結しているわけではありません。お金の流れまで含めて見ると、図1のような関係になっています。

図1 利用者・X・広告主の関係

利用者

出すもの 規約の遵守、投稿、閲覧の時間、利用のデータ

受け取るもの 投稿・閲覧・つながりの機能

X Corp.(運営会社)

出すもの 場と機能の提供、広告枠

受け取るもの 利用者のデータと注目、広告費

広告主

出すもの 広告費

受け取るもの 利用者への広告の配信

*有料プラン(X Premiumなど)に加入している場合は、利用者からXへの料金の支払いも加わります

利用者が直接お金を払っていなくても、Xは利用者が集まることで広告の収入を得ています。この構造が、あとで取り上げる「無料なのか、データと引き換えなのか」という論点につながります。

契約の中身を決めているのは、利用規約です。凍結に関係する主な定めと、日本の法律から見たときの手がかりを、表1にまとめました。

規約の定め 内容の要点 日本の法律での手がかり
規約への同意 サービスを使うことで、規約に同意したものとされる 民法548条の2(定型約款の合意)
規約の変更 改定後も使い続ければ、新しい規約に同意したものとされる 民法548条の4(定型約款の変更)
現状のままでの提供 機能の継続や正確さを保証せず、責任の範囲を限定する 消費者契約法8条(免責条項の制限)
停止・終了 規約違反などを理由に、アカウントを停止・終了できる 民法548条の2第2項、消費者契約法10条
準拠法・裁判所 日本を含むEU・英国など以外の利用者は、米国テキサス州法と同州の裁判所による 法の適用に関する通則法11条、民事訴訟法3条の4・3条の7

*規約の内容は、2026年11月時点のものを私たちが要約したものです。正確な文言は、X社の利用規約でご確認ください

2 無料でも「契約」といえるのか

民法では、契約は、申込みに対して相手方が承諾したときに成立し、法令に特別の定めがある場合を除いて、書面などの形式も必要ありません(民法522条)。お金のやり取りがあることは、契約の成立の条件ではありません。贈与のように、一方だけが何かを与える無償の契約も、民法は契約として扱っています。

経済産業省の「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」も、簡単な手続で登録すれば会員になれるサイトのサービスの利用を、定型約款の規定が使われる取引の例に挙げています。ここまでは、大きな争いはありません。考え方が分かれるのは、その先です。

ISSUE 1

論点1 契約は成立しているとして、Xは何を約束しているのか

契約が成立していることと、運営者がどこまでの義務を負っているかは、別の問題です。ここで考え方が分かれます。

考え方A

継続して使わせる義務がある

アカウントを開設させ、継続的に利用させる契約である以上、運営者は規約に従って利用させる義務を負う、という考え方です。規約に当たる違反がないのに利用を止めれば、その義務を果たしていないことになります。

考え方B

約束の中身はもともと薄い

規約は「現状のまま」での提供を定め、機能の継続を保証していません。無料で広く提供される場である以上、運営者が負うのは場を開いておくという緩い義務にとどまり、特定の利用者に使わせ続ける義務までは読み取りにくい、という考え方です。

私たちの立場

私たちは、どちらか一方に寄せた主張はしません。ただ、規約そのものが停止の理由として「違反」などを挙げている以上、違反に当たる事実がないことを示せば、規約の枠の中で見直しを求められると考えています。契約の成立を論じるより、規約の停止事由と事実を突き合わせるほうが、読む側に伝わります。

もう一つの論点は、「無料」という前提そのものです。利用者はお金を払っていませんが、何も渡していないわけではありません。

ISSUE 2

論点2 無償の契約か、データを対価とする契約か

利用者が提供している個人情報や利用のデータ、広告を見る時間を「対価」と見るかどうかで、契約の性格の捉え方が変わります。

考え方A

データが実質的な対価になっている

公正取引委員会は、個人情報等が経済的価値を持つとし、消費者がサービスの対価として個人情報等を提供していると認められる場合には、消費者はデジタル・プラットフォーム事業者の取引の相手方に当たると整理しています。対価があるなら、運営者の義務も、有償の契約に近い水準で考えるべきだ、という考え方です。

考え方B

民法の上では、あくまで無償

公正取引委員会の整理は、独占禁止法という競争のルールの中での評価です。データの提供は、規約で対価として約束されたものではなく、個人情報の取扱いへの同意の問題にすぎない。民法の上で有償か無償かまでを決めるものではない、という考え方です。

私たちの立場

この論点は学説の上でも決着していないため、書面の前提には置きません。一方で、有料プランへの加入、広告の出稿、事業での利用など、お金が動いている事実があれば、それは評価の問題ではなく事実として書く価値があります。停止による影響の大きさを、具体的に伝える材料になるからです。

3 凍結は運営者の自由なのか

Xの規約は、規約違反があると判断した場合などに、アカウントを停止・終了できる広い権限を運営側に留保しています。世界中で膨大な数のアカウントを扱う以上、一定の基準でふるい分け、迷うものは止めるという運用には、事業者の側から見れば理由があります。

法律の側の動きもあります。Xは2025年4月、情報流通プラットフォーム対処法にもとづく大規模な事業者に指定されました。総務省のガイドラインによると、指定された事業者は、投稿を削除したときに、その旨と理由を発信者に通知することが原則とされ、運用状況の公表では、アカウントの停止などの措置の対象となった発信者の総数も公表の項目に含まれています。ただ、この法律は、凍結されたアカウントを元に戻すよう求める権利を利用者に与えるものではありません。

では、規約で留保された裁量に、限界はあるのでしょうか。

ISSUE 3

論点3 「運営側の判断で停止できる」という条項は、どこまで有効か

規約の文言をそのまま受け取るか、法律による枠をはめて読むかで、考え方が分かれます。

考え方A

規約で合意した裁量として尊重される

利用者は規約に同意して使い始めています。大量の利用者を一律の基準で扱うには、運営側に広い判断の余地が必要で、個々の判断に立ち入らないのが合理的だ、という考え方です。安全な場を保つための停止は、ほかの利用者の利益にもなります。

考え方B

法律による枠がはまる

定型約款のうち、信義則に反して相手方の利益を一方的に害する条項は、合意しなかったものとみなされます(民法548条の2第2項)。消費者契約法も、事業者に責任の有無を決める権限を与える条項などを無効としています(8条、10条)。オンラインゲームなどのポータルサイトの規約では、「当社が判断した場合」の会員資格の取消しと「一切損害を賠償しない」という定めを組み合わせた条項が、消費者契約法8条1項に当たるとされ、使用の差止めが命じられました(さいたま地裁令和2年2月5日判決。東京高裁も維持)。

私たちの立場

「裁量はあるが、無制限ではない」というのが正確だと考えています。ただし、先の裁判例は、免責の条項の有効性について判断したもので、「アカウントを元に戻せ」という請求がそのまま認められることを意味するものではありません。書面では、裁量そのものを否定するより、裁量を使う前提になった事実に誤りがあることを示すほうが、現実に検討を動かします。

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4 どの国の法律で考えるのか

ここまでは、日本の法律を前提に考えてきました。しかし、Xの規約は、日本を含むEU・英国など以外の利用者について、米国テキサス州法を準拠法とし、紛争はテキサス州の裁判所で扱うと定めています(2026年10月の改定で、その裁判所が使えない場合は仲裁によることも加わりました)。日本の法律の話がそもそも使えるのかが、次の論点です。

ISSUE 4

論点4 日本の利用者に、日本の法律は適用されるのか

規約での指定を優先するか、日本の消費者を守る規定を優先するかで、考え方が分かれます。

考え方A

規約の指定どおり、テキサス州法による

契約の当事者は、どの国の法律によるかを合意で決められます。世界共通のサービスで国ごとに異なる法律を当てはめれば運営が立ち行かないため、準拠法と裁判所を一つに定めることには合理性がある。日本の民法や消費者契約法を持ち出しても前提を欠く、という考え方です。

考え方B

消費者なら、日本の法律と裁判所の余地がある

消費者契約では、外国の法律が指定されていても、消費者が住んでいる国の強行規定を適用すべきことを事業者に示せば、その規定も適用されます(法の適用に関する通則法11条1項)。消費者は、自分の住所のある日本の裁判所に訴えることができ(民事訴訟法3条の4第1項)、紛争の前にした裁判所の合意の効力も限られています(同法3条の7第5項)。

私たちの立場

日本の消費者であれば、日本の法律が働く余地は十分にあると考えています。ただ、国をまたぐ訴訟は時間も費用もかかり、凍結を早く解いてもらうという目的には遠回りになることが多いのが実情です。書面では、準拠法の議論に深入りせず、日本の法令に触れるとしても、事実を補う範囲にとどめています。

もう一つ見落とされやすいのが、利用者が「消費者」に当たるかどうかです。消費者契約法は、事業として、または事業のために契約の当事者となる個人を、消費者から除いています。仕事でXを使っている方は、表2で自分の位置を確かめてください。

アカウントの使い方 消費者に当たるか 考えておきたいこと
個人の趣味や交流 当たると考えやすい 消費者を守る規定が働く余地がある
個人だが、収益化や案件の受注にも使う 分かれ得る 事業のための契約と見られると、消費者を守る規定の外になる
会社や店舗の公式アカウント 当たらない 規約と、運用の実態との関係で考える

*最終的には、利用の実態から個別に判断されます

私たちにご相談いただく方には、モデルやインフルエンサー、クリエイター、店舗など、仕事でアカウントを使っている方が多くいます。そうした方ほど、「消費者だから守られるはず」という前提に頼らず、事実と規約との関係で書面を組み立てる必要があります。

5 誤判定や乗っ取りによる停止をどう位置づけるか

凍結の中には、本人に違反がないのに、自動的な判定の誤りで止められたと考えられるものや、乗っ取られているあいだの投稿が原因で止められたものがあります。こうした停止を、契約の上でどう位置づけるかが、最後の論点です。

ISSUE 5

論点5 違反のない停止は「処分への不服」か「利用の回復」か

同じ停止でも、どう捉えるかによって、書面の書き出しと求める措置が変わります。

考え方A

運営側の判断への不服として扱う

運営側は、規約違反があると判断して停止しています。その判断の見直しを求める以上、手続としては異議の申立てであり、問題とされた点に一つずつ答えていくのが筋だ、という考え方です。窓口も、この形で申立てを受け付けています。

考え方B

契約にもとづく利用の回復を求める

違反がないのに止まったのなら、それは処分の当否ではなく、利用させるという約束が果たされていない状態だ、という考え方です。とくに乗っ取りでは、利用者自身が被害者です。違反を前提に弁明するのではなく、判定の誤りの訂正と、利用の再開を求めるべきだとします。

私たちの立場

私たちは、事案に応じて使い分けます。本人に心当たりがあるなら考え方Aに沿い、違反の内容と改善を示します。誤判定や乗っ取りなら考え方Bに沿い、違反を認める書き方を避けます。ただし、呼び方を変えても、審査で見られるのは事実の裏づけであることに変わりはありません。

停止の原因ごとに、書面をどう組み立てるかを示したのが図2です。

図2 停止の原因と、書面の組み立て方

本人に心当たりがある
規約違反と判断された停止
→ 違反の内容と、その後の改善を示し、措置の見直しを求める
心当たりがない
誤判定が疑われる停止
→ 判定の前提になったと考えられる事実の誤りを、記録で示す
乗っ取りのあとに止まった
第三者の行為による停止
→ 本人の行為でないことと、取り戻した後の管理の方法をあわせて示す

*原因が一つに絞れない場合は、確かめられる事実から順に並べます

乗っ取りが原因と考えられる場合の手口の調べ方は「X・Instagramの乗っ取り、原因はフィッシングだけじゃない!」で、申立ての文面の組み立て方は「Xアカウント凍結の異議申し立て例文集」で整理しています。

6 受け止める側は「契約の主張」をどう読むか

5つの論点を見てきましたが、実際に凍結の解除を求める場面で大事なのは、その主張を受け取った側がどう動くかです。私たちは、事業会社の側で、利用停止についての書面を受けて対応方針を検討する仕事にも携わってきました。その経験から、書き方による受け止め方の違いを表3にまとめました。

書面の書き方 受け止める側から見ると
「契約違反だ」「訴える」とだけ書かれている 何を確かめればよいかがわからず、法的な対応として慎重に扱われやすい
条文は並んでいるが、事実が薄い 法的な評価の前提となる事実を確かめられない
事実を時系列で示し、規約のどの点と食い違うかを書いている 確かめるべき点がはっきりし、検討を進めやすい
有料の利用や事業への影響を、具体的に示している どのくらい急いで検討すべきかを判断する材料になる

*X社の審査の内部は公表されていません。表は、一般的な事業会社で書面を受ける側の視点から整理したものです

リーリエ行政書士事務所の視点

書面を受ける側にいたとき、法的な主張が前面に出た書面は、担当者の判断だけでは進められず、確認の手順が増えることがありました。主張が正しいかどうかとは別に、扱いが慎重になるのです。反対に、事実と求める措置が簡潔に整理された書面は、担当者がそのまま確認に入ることができました。

ですから、私たちは契約の考え方を「相手を押し切るための論理」としては使いません。この記事の5つの論点は、何を書けば検討の材料になり、何を書くと遠回りになるかを見極めるための整理です。契約を理解しているからこそ、契約を振りかざさない。その姿勢が、結果として読む側の判断を動かすと考えています。

7 ご相談でよくある経過

ここでは、ご相談でよくみられる経過を、例として紹介します。個人が特定されないよう、事実関係の一部を変えています。

ご相談でよくある経過(例)

【有料プランに加入し、仕事の告知にも使っていた個人のアカウントが凍結。ご自身で「契約違反だ」「消費者契約法に反する」と書いた申立てを繰り返し、定型文の返信が続いていました。法的な主張を外し、加入の事実と利用の実態、凍結の前後の経過を時系列で整理した書面に切り替えました。】

ご相談でよくある経過(例)

【乗っ取られたあと、不審な投稿が続いた末に凍結されたアカウント。違反を認めて謝る形の申立てをしていたため、本人の行為でないことをログイン通知などの記録で示す形に改め、取り戻した後の管理の方法もあわせて記載しました。】

ご相談でよくある経過(例)

【店舗の公式アカウントが凍結。事業者として使っていたため、消費者を守る規定を前提にせず、規約の停止事由と運用の実態との関係を中心に、停止が営業に与えている影響も具体的に示す書面を作成しました。】

8 よくある質問

Q無料なのに、本当に契約なのですか。

A契約は申込みと承諾で成立し、お金のやり取りは成立の条件ではありません。利用規約に同意してアカウントを作った時点で、Xとの間に利用の契約が成立していると考えるのが一般的です。ただ、契約であることから、すぐに凍結が許されないという結論になるわけではありません。

Q規約を読まずに「同意する」を押しました。それでも拘束されますか。

A定型約款の規定により、個々の条項を読んでいなくても、合意したものとみなされることがあります。一方で、信義則に反して利用者の利益を一方的に害する条項は、合意しなかったものとみなされます。規約の内容を示すよう求めることもできます(民法548条の3)。

Q規約が変わったことに気づかないまま、凍結されました。

A定型約款は、利用者の一般の利益に合う場合や、契約の目的に反せず合理的な場合に、事前の周知などの手続を経て変更できるとされています(民法548条の4)。変更が有効かどうかは個別の判断になりますが、凍結の場面では、問題とされた投稿や行動の時期に、どの版の規約が適用されていたかを確かめることが役に立つことがあります。

Q「法的措置を検討している」と書けば、早く解除されますか。

Aそうとは限りません。受け止める側では、法的な対応として扱いが慎重になり、かえって時間がかかることもあります。検討を進めてもらうには、強い言葉よりも、確かめられる事実と求める措置をはっきり書くことが大切です。

Q日本の裁判所で、Xを訴えることはできますか。

A消費者であれば、住所のある日本の裁判所に訴えることができる場合があります。ただ、海外の会社が相手になるため、書類の送達や翻訳などに時間と費用がかかり、凍結を早く解いてもらうという目的には合わないことが多いのが実情です。訴訟を考える場合は、弁護士にご相談ください。

Q仕事で使っているアカウントでも、同じように考えられますか。

A事業として、または事業のためにアカウントを使っている場合は、消費者契約法の「消費者」に当たらない可能性があります。その場合は、消費者を守る規定に頼らず、規約と運用の実態との関係を中心に考えることになります。停止による事業への影響は、具体的に示す価値があります。

Q依頼すると、費用はどのくらいかかりますか。

A案件の内容によって異なります。料金の目安は「料金表」、ご契約の前にお伝えする事項は「重要事項説明」をご覧ください。

まとめ

無料のXでも、利用者とX社との間には契約が成立し、利用規約はその中身になります。「無料だから何も言えない」わけではありません。一方で、運営者の裁量は広く、規約は外国の法律を指定しており、仕事で使っていれば消費者を守る規定の外になることもあります。「契約だから凍結は許されない」と言い切れるわけでもありません。

5つの論点のどれをとっても、最後に効いてくるのは、規約の停止事由と事実との突き合わせです。契約の考え方は、何を書くべきかを見極めるために使い、書面そのものは確かめられる事実で組み立てる。それが、遠回りに見えて近道だと私たちは考えています。

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9 参照した公的資料

e-Gov法令検索「民法」(第522条、第548条の2〜第548条の4)

e-Gov法令検索「消費者契約法」(第2条、第8条、第10条)

e-Gov法令検索「法の適用に関する通則法」(第11条)

e-Gov法令検索「民事訴訟法」(第3条の4、第3条の7)

経済産業省「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」(令和7年2月)

公正取引委員会「デジタル・プラットフォーム事業者と個人情報等を提供する消費者との取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」

裁判所「さいたま地方裁判所 令和2年2月5日判決(平成30年(ワ)第1642号)」

裁判所「東京高等裁判所 令和2年11月5日判決」(上記事件の控訴審)

総務省「情報流通プラットフォーム対処法における大規模特定電気通信役務提供者の義務に関するガイドライン」(令和7年3月11日)

総務省「情報流通プラットフォーム対処法第20条第1項に基づく大規模特定電気通信役務提供者の指定」(令和7年4月30日)

AUTHOR & SUPERVISION

執筆・運営について

リーリエ行政書士事務所

SNSアカウントの凍結解除・乗っ取り復旧を専門とする行政書士事務所です(東京都行政書士会所属)。

事務所 リーリエ行政書士事務所
取扱分野 SNSアカウントの凍結・乗っ取りからの復旧、SNSアカウント運用サポート
公開 2026年11月7日