凍結解除までどれくらいかかるのか 書面が海外に届くまでの日数と、送り直すべきかの判断

書面を送ったのに、まだ何の連絡もない。そもそも、もう相手に届いているのだろうか。届いていないなら、送り直したほうがよいのではないか。凍結や乗っ取りの書面をお送りしたご依頼者さまから、弊所にいちばん多く寄せられるのが、この「いつまで待てばよいのか」というご質問です。

解除までの期間は、大きく二つに分けて考えると見通しが立ちます。一つは、書面が相手に届くまでの郵便の日数です。もう一つは、届いてから相手が確かめ、連絡をよこすまでの日数です。前者は郵便の種類でほぼ決まり、後者は運営会社の側の事情で大きく変わります。

リーリエ行政書士事務所は、事業会社の側で凍結や利用停止に関する書面を受け取り、対応方針を検討する審査業務に関わってきました。この記事では、XとInstagramの書面について、海外郵便が届くまでの日数を含めた時間の流れと、送り直すべきかどうかの判断を整理します。

この記事の郵便の日数は、日本郵便が公表しているお届け日数表の「標準日数」にもとづくもので、到達を約束するものではありません。また、届いてから解除までの期間は弊所へのご相談とご依頼の経過にもとづく目安で、運営会社の判断や解除そのものをお約束するものではありません。

この記事で確認すること

1 解除までの時間は、どこでかかるのか
2 書面はどこに送るのか
3 海外郵便が届くまでの日数
4 国際書留とEMS、どちらで送るか
5 届いてから連絡が来るまで
6 日付で見る、解除までの流れ
7 書面を送り直すべきか
8 待っている間にしておくこと
9 よくある質問

1 解除までの時間は、どこでかかるのか

書面を作ってから解除の連絡が届くまでには、次の段階があります。

段階 何をしているか かかる時間の目安
書面の作成 経緯と証拠を整理し、和文と英文の書面を整える 数日
郵便での到達 郵便局に差し出してから、相手先に配達されるまで X宛て(米国)は約3週間、Instagram宛て(国内)は数日
相手先での確認 受け付けた書面が担当に回り、アカウントの状態と照らして検討される 数週間から数か月
連絡・解除 メールでの連絡、または予告なくアカウントが戻る X宛ては送付から遅くとも90日ほどが目安

*相手先での確認と連絡の期間は、弊所の経過にもとづく目安です

表を見るとわかるとおり、時間がいちばんかかるのは郵便ではなく、届いてから相手が確かめるまでです。郵便の日数は数日から3週間ほどで読めますが、その先は相手の事情しだいで幅が出ます。この記事のあとの論点、とくにEMSで送るか、送り直すかを考えるときも、この構造が前提になります。

2 書面はどこに送るのか

XとInstagramでは、書面の送り先が違います。そのため、郵便の日数も大きく変わります。

Xの書面は、米国のX社に宛てて送ります。X社は、2024年に本社をカリフォルニア州からテキサス州に移しています。海外宛ての郵便になるため、到達までには日数がかかり、配達の記録を残すために国際書留を使います。

Instagramの書面は、日本国内の送付先に宛てて送ります。国内の郵便のため、書留で送っても数日で届きます。届くまでの日数で見ると、InstagramはXより3週間近く早く、相手の手元に書面がそろうことになります。

弊所では、どちらの場合も、和文の書面と英文の書面を一緒にお送りしています。受け取った側で翻訳を待つ時間を省き、内容をそのまま担当に回してもらえるようにするためです。

3 海外郵便が届くまでの日数

日本郵便は、国際郵便のおおよその配達日数を「お届け日数表」として公表しています。東京から米国に宛てた航空便の手紙は、標準日数が18日とされています。この日数には、郵便局に出した当日は含まれません。たとえば月曜日に出せば、18日後の金曜日ごろが配達の目安です。

国際書留は、航空便の手紙に付ける特別な扱いです。書留を付けても運ばれ方は航空便と同じなので、届くまでの日数は、航空便の目安で考えます。書留にする意味は、早さではなく、いつ引き受けられ、いつ配達されたかの記録が残ることにあります。

日本郵便は、表の日数が配達を約束するものではないことも明記しています。実際には、次のような事情で日数が延びることがあります。

1引き受けから配達までの間に、土日や休日が入る場合。日本の祝日だけでなく、米国の祝日も関係します。11月下旬の感謝祭や、年末年始は延びやすい時期です。

2航空機の遅延や欠航、航空保安のための追加の検査があった場合。

3名あて地が、表に載っている大都市から離れている場合。X社の本社があるテキサス州の町は、表に載っている米国の都市(サンフランシスコ、シカゴ、ニューヨーク、ロサンゼルス)のいずれでもないため、目安より数日長めに見ておくのが安全です。

こうした事情を踏まえ、弊所では、X宛ての国際書留は差し出しからおおむね3週間前後で届くとご案内しています。配達されたかどうかは、日本郵便の追跡サービスで確かめられます。追跡の画面では、「引受」「国際交換局から発送」「国際交換局に到着」といった表示が順に出て、最後に配達の表示が出れば相手先に届いています。

4 国際書留とEMS、どちらで送るか

海外へ早く届けたいときの選択肢として、EMS(国際スピード郵便)があります。EMSは航空便よりも優先して運ばれる郵便で、日本郵便の表では、東京からカナダ宛てで6日、英国宛てで5日が標準日数とされています。米国宛ては、届け先の地域を指定して日数を確かめる形になっていますが、航空便の手紙より大幅に短くなります。

一方で、EMSは料金が高くなります。書面一通を送るにも、航空便の書留に比べて大きく費用がかかります。二つを並べると、次のようになります。

国際書留(航空便) EMS
届くまで 米国宛てで標準18日。実際には3週間前後を見ておく 数日から1週間ほど
記録 追跡で引き受けと配達を確かめられる 追跡で引き受けと配達を確かめられる
料金 比較的おさえられる 高い
向いている場面 はじめて書面を送るとき。ふつうはこちらで十分 一通目が届かなかったときの送り直し、急ぐ事情があるとき

ここで考えておきたいのは、早く届くことが、そのまま早く解除されることにはつながらないという点です。1で見たとおり、時間がいちばんかかるのは届いてから相手が確かめるまでの間です。EMSで2週間早く届けても、その先に数か月の確認の期間があれば、全体の期間はそれほど縮みません。

実務の現場から

書面を受け取る側にいたとき、どの郵便で届いたかによって、検討の順番が変わることはありませんでした。速達で届いた書面も、普通の郵便で届いた書面も、受け付けたあとは同じ流れに乗ります。読む側が見ていたのは、届き方ではなく、書かれている中身です。弊所がはじめの一通を国際書留でお送りしているのは、この経験から、早さよりも配達の記録と費用の釣り合いを重く見ているためです。

それでもEMSが役に立つ場面はあります。一つは、一通目が届かなかった、あるいは追跡の表示が長く止まっていて、送り直すときです。すでに時間を失っているので、二通目は確実に早く届けたいところです。二つ目は、アカウントが止まっていることで事業に大きな支障が出ていて、数週間でも早く相手の手元に書面をそろえたい事情があるときです。

5 届いてから連絡が来るまで

書面が届いたあと、いつ連絡が来るのかは、運営会社が公表していないため、外から確かな日数を示すことはできません。弊所では、これまでの経過から、X宛ての書面について、ご依頼者さまに「遅くとも90日ほどを目安に、X社からメールで何らかの連絡が来ることが多い」とお伝えしています。

ただし、これはあくまで目安です。早い方では、書面が届いてまもなく、予告なくアカウントが戻ったというご連絡をいただくこともあります。反対に、永久凍結のアカウントで、ご依頼から解除まで半年以上かかった例もあります。凍結がまとめて起きる時期のあとは、相手先に届く書面や申し立ての数も一度に増えるため、確認に時間がかかりやすくなります。

Instagramの書面は、国内に届く分、相手の手元にそろうのは早くなります。けれども、そこから先の確認の期間はXと同じく相手の事情によるもので、届くのが早いぶん解除も必ず早い、とはいえません。Instagramについても、数週間から数か月の単位で考えておくのが現実的です。

実務の現場から

受け取る側の実情として、届いた書面にその日のうちに答えが出ることは、まずありません。書面は受付で記録され、担当に回り、アカウントの状態や過去の経緯と照らし合わせて検討されます。判断に迷うものは、さらに別の担当の確認を経ることもあります。連絡が来ないあいだも、書面が放っておかれているとはかぎりません。むしろ、内容を確かめる手間がかかっている、と受け止めていただくほうが実情に近いと考えています。

6 日付で見る、解除までの流れ

具体的な日付に置き換えると、見通しが立てやすくなります。2026年11月2日(月)に、東京からX社宛ての書面を国際書留で差し出した場合の目安は、次のとおりです。

日付の目安 起きること
11月2日(月) 郵便局で国際書留として差し出す。追跡に「引受」と表示される
11月20日(金)ごろ 標準日数(18日)での配達の目安
11月下旬〜12月上旬 米国の感謝祭の休日をはさむと、配達がこのあたりまでずれ込むことがある。追跡で配達の表示を確かめる
12月〜翌年1月 相手先での確認の期間。年末年始は動きが鈍くなりやすい
2027年1月31日(日)ごろ 差し出しから90日。X社から何らかの連絡が来ていることが多い時期の目安

*配達の日付は日本郵便の標準日数による目安で、連絡の時期は弊所の経過にもとづく目安です

同じ書面をInstagramの国内の送付先に書留で送った場合は、11月上旬のうちに相手の手元に届きます。そこから先は、上の表の「相手先での確認の期間」と同じく、相手の事情しだいです。

7 書面を送り直すべきか

連絡が来ないまま日が過ぎると、もう一度送ったほうがよいのではないか、と考えるのは自然なことです。けれども、送り直すことが状況をよくする場合と、そうでない場合があります。判断の分かれ目は、書面が届いているかどうかと、伝えるべき中身が変わったかどうかの二つです。

状況 送り直しの考え方
追跡で配達済みになっていて、90日たっていない 送り直さずに待つ。同じ内容を重ねても、早くはならない
差し出しから1か月以上たっても、追跡で配達の表示が出ない まず郵便局に調査を頼む。届いていないとわかれば、EMSで送り直すことを考える
書面が差出人に戻ってきた 戻ってきた理由(宛先の不備など)を確かめ、直したうえで送り直す
送ったあとに、新しい事実が出てきた(改善を終えた、通知が届いた、乗っ取りの記録が見つかった など) 内容を足して、前の書面を補う形で送る価値がある
配達から90日を過ぎても、何の連絡もない 前の書面を見直し、組み立て直したうえで送ることを考える
「判断は変わらない」という返信が来た 同じ書面は送らない。疑われている点に応えられていたかを点検し直す

届いているなら、同じ書面は送らない

追跡で配達済みになっているなら、書面は相手の手元にあります。同じ内容をもう一度送っても、検討の順番が早まることはありません。それどころか、同じ件について何通も書面が届くと、受け取った側では、どれが最新で、どれに答えればよいのかを整理する手間が増えます。

実務の現場から

受け取る側にいたとき、同じ方から同じ内容の書面が続けて届くと、まずそれぞれの書面がどう違うのかを確かめる必要がありました。違いがなければ、記録を一つにまとめる作業が増えるだけで、判断の材料は一つも増えません。一方で、あとから届いた書面に、前の書面になかった事実や、すでに行った改善が書かれていれば、それは検討を前に進める材料になりました。送り直すなら、何が新しいのかがひと目でわかる形にすることが大切です。

届いていないなら、まず調べてから送り直す

差し出しから1か月ほどたっても配達の表示が出ない場合は、届いていない可能性があります。国際書留は、郵便局に調査を頼むことができます。調べた結果、届いていないとわかったら、送り直しを考えます。このときは、すでに1か月を失っているので、二通目はEMSで確実に早く届けるほうが理にかなっています。

送り直すときは、一通目と同じ書面をそのまま送るのではなく、冒頭に「〇月〇日に国際書留で送付した書面が届いていない可能性があるため、改めて送付する」と一言添えます。万一、一通目があとから届いても、受け取った側で同じ件だとすぐにわかるようにするためです。

中身が変わったなら、補う書面を送る

送ったあとに、アカウントの改善を終えた、運営から通知が届いた、乗っ取りの経緯を示す記録が見つかった、といった新しい事実が出てきた場合は、それを伝える書面を送る価値があります。この場合も、前の書面の日付を示し、「〇月〇日付の書面に、次の事実を補う」という形にすると、受け取る側が前の書面とつなげて読めます。

8 待っている間にしておくこと

書面を送ってから連絡が来るまでの数か月は、ただ待つだけの時間ではありません。次のことをしておくと、連絡が来たときや、送り直しが必要になったときに慌てずに済みます。

1郵便の控えと追跡番号を保管し、配達の表示が出たら画面を保存しておく。日本郵便の配達完了メール通知を申し込んでおくと、届いた日を見逃しません。

2アカウントに登録しているメールアドレスの受信箱と迷惑メールのフォルダを、定期的に確かめる。運営からの連絡は、英語のメールで届くことがあります。

3ときどきログインを試し、アカウントの状態を確かめる。予告なく戻っていることがあります。ただし、短い時間に何度も試すのは避けてください。

4同じ端末や回線で新しいアカウントを作らない。凍結の回避とみなされ、書面で説明している内容と食い違いが出てしまいます。

9 よくある質問

QはじめからEMSで送ったほうが、早く解除されますか。

A書面が届くのは早くなりますが、解除が同じだけ早まるとはかぎりません。時間がいちばんかかるのは、届いてから相手が確かめる期間だからです。急ぐ事情がなければ、配達の記録が残り、費用もおさえられる国際書留で十分です。

Q配達済みになってから1か月、何の連絡もありません。送り直すべきですか。

Aまだ待つ段階です。弊所では、差し出しから遅くとも90日ほどを連絡の目安にしています。同じ内容を送り直しても早くはならないため、新しい事実が出てこないかぎり、送り直しは90日を過ぎてから考えるのがよいと考えています。

QInstagramはXより早く解除されますか。

AInstagramの書面は国内に届くため、相手の手元にそろうのは3週間近く早くなります。ただ、その先の確認の期間は相手の事情によるため、全体として必ず早いとはいえません。

Q年末年始に送っても大丈夫ですか。

A送ること自体は問題ありませんが、郵便の配達も、相手先での確認も、休みをはさむ分だけ時間がかかりやすくなります。急ぎの事情がある場合は、休みに入る前に届くよう、早めに差し出すか、EMSを使うことを考えてください。

Q以前ほかで送った書面の送り直しだけを頼めますか。

Aご依頼いただけます。前の書面と送付の記録(追跡番号や控え)をお見せいただければ、届いているかを確かめ、送り直すべきか、内容を補うべきかを整理したうえで書面を作成します。

まとめ

凍結解除までの期間は、書面が届くまでの郵便の日数と、届いてから相手が確かめるまでの日数に分けて考えると見通しが立ちます。X宛ての書面は、米国への国際書留でおおむね3週間前後で届き、弊所では差し出しから遅くとも90日ほどを連絡の目安にしています。Instagram宛ては国内に届くため数日で相手の手元にそろいますが、その先の期間は同じく相手の事情しだいです。

EMSは早く届きますが、料金は高く、届くのが早くても解除が同じだけ早まるとはかぎりません。はじめの一通は国際書留で送り、届かなかったときの送り直しや、急ぐ事情があるときにEMSを使う、という使い分けが現実的です。

書面を送り直すかどうかは、届いているか、中身が変わったか、の二つで判断します。届いていて中身も同じなら、待つのがいちばんの近道です。迷ったときは、送付の記録を手元にそろえて、ご相談ください。

書面の送付・送り直しのご相談

ユーザー名と、いつ何を送ったかを添えてご連絡ください

LINEで相談する
問い合わせはこちら

AUTHOR & SUPERVISION

執筆・運営について

リーリエ行政書士事務所

SNSアカウントの凍結解除・乗っ取り復旧を専門とする行政書士事務所です(東京都行政書士会所属)。事業会社の側で、凍結・利用停止に関する書面を受けて対応方針を検討する審査業務に関与した経験を基礎に、措置をする側とされる側の双方から実務を整理しています。弊所の業務範囲は、事実関係と証拠の整理、申立書面・通知書面・開示請求書面等の作成までです。交渉の代理、発信者情報開示請求、仮処分・訴訟の手続は行っていません。

事務所 リーリエ行政書士事務所
取扱分野 SNSアカウントの凍結・乗っ取りからの復旧、SNSアカウント運用サポート
公開 2026年10月29日