Meta社に書面を送ったのに返事が来ないとき、待っている間に確かめたい6つのこと
Instagramのアカウントが止まり、アプリから再審査を求める道もない。そうした方が、事情を整理した書面をMeta社に送るケースが増えています。ところが、送った後に何の返事もないまま時間だけが過ぎていく。この「待つ時間」がいちばんつらい、という声を弊所でもよく伺います。
弊所は、事業会社の側で、アカウントの凍結や利用停止について本人・弁護士・行政書士から届いた書面を受け取り、対応方針を検討する審査業務に関わってきました。いまはXを中心に、Instagramの停止についても、事実関係を整理した書面の作成をお受けしています。この記事では、書面を出す側と受け取る側の両方を見てきた目線から、返事が来ない間の考え方と、連絡が来たときに確かめたいことを順番に整理します。
この記事で確認すること
1 書面を受け取る側では、何が起きているのか
2 返事がないことの読み方
3 待っている間にしておくこと、しないほうがよいこと
4 次の手を考えるタイミング
5 本人確認の書類を求められたら
6 戻っても、知らせが来ないことがある
1 書面を受け取る側では、何が起きているのか
運営会社に届いた書面は、アプリの問い合わせフォームとは別の経路で受け付けられます。受け取った側がまず確かめるのは、誰が、どのアカウントについて、何を求めているのかです。そのうえで、アカウントの記録と書面の内容を照らし合わせ、対応の方針を決めていきます。
この確認は、書面を読んだその日に終わるとは限りません。名義人が本当に本人なのか、書かれている事情が記録と合うのかがはっきりしなければ、判断は先送りになります。追加の資料を求めるかどうかを決めるのも、この段階です。
つまり、返事が来ていない間も、書面の処理が止まっているとは限りません。外から見えないだけで、確認の順番を待っている、あるいは判断の材料をそろえている途中ということもあります。
2 返事がないことの読み方
返事がないことは、それだけで「認められなかった」という意味にはなりません。運営会社は、書面をいつ、どの順番で確認しているのかを明らかにしないため、待っている時間の長さから結果を推し量ることはできないのが実情です。
一方で、受け取る側にいた経験から言えるのは、判断が先送りになりやすい書面には共通点があるということです。一つは、いつ、何が起きたのかという事実の順番が追えない書面です。もう一つは、本人であることや正当な運営者であることを裏づける資料が添えられていない書面です。
逆に言えば、送る前に事実関係を時系列で整理し、裏づけとなる資料をそろえておくことが、確認を進めてもらうための土台になります。弊所が書面の作成で最も時間をかけているのも、この部分です。
受け取る側から見て、読み進めやすい書面
審査する立場から見ると、確認が進みやすい書面には形の上での特徴があります。一つは、冒頭の数行で、どのアカウントについて何を求めているのかが分かることです。もう一つは、出来事が日付の順に並び、添付資料に番号が振られていて、本文のどの記述をどの資料が裏づけているのかを追えることです。さらに、読み手が日本語を読めるとは限らないため、弊所では日本語の書面に英文の書面を添え、2通で作成しています。
3 待っている間にしておくこと、しないほうがよいこと
しておきたいのは、記録を手元に残すことです。送った書面の控え、郵便の配達記録、停止画面や届いたメールのスクリーンショットは、まとめて保存しておいてください。後から連絡が来たとき、どの申し入れへの返事なのかを照らし合わせる材料になります。新たに届いたメールも、迷惑メールフォルダまで含めて確かめておくと安心です。
しないほうがよいのは、停止中のアカウントの代わりに新しいアカウントを作ることです。運営会社の側から見ると、停止を回避する行為と受け取られるおそれがあり、新しいアカウントまで止まってしまうことがあります。書面で伝えた事情と食い違う行動は、確認の妨げにもなりかねません。
記録は、思い出したときにまとめて書くより、出来事のたびに次の四つを一行ずつ残していくのがおすすめです。後から書面を出し直すときも、この記録がそのまま時系列の下書きになります。
いつ 日付と、分かれば時刻
何をしたか、何が起きたか 書面の発送、アプリでの操作、ログインの試行、メールの受信など
相手 送り先、または差出人のアドレス
手元の控え スクリーンショット、配達記録、メールの保存先
家族のアカウントや仕事用のアカウントなど、同じ方が関わる別のアカウントが同時に止まっている場合は、どれがどの理由で止まっているのかを分けて記録しておいてください。止まった理由が違えば、使える手続きも違ってきます。
4 次の手を考えるタイミング
待ち続けるか、もう一度申し入れるか。答えは、最初の書面に何を書いたかで変わります。
最初の書面で事実関係と資料が十分にそろっていたなら、同じ内容を何度も送るより、もう少し待つほうがよい場合があります。受け取る側から見ると、同じ書面が重ねて届いても、判断の材料が増えるわけではないからです。
反対に、送った後になって、書き漏らした事情や新しい資料が見つかることもあります。停止の前に身に覚えのないログインがあった、本人確認の手続きを別の窓口で済ませていた、といった事情です。こうした場合は、内容を改めた書面を出し直す意味があります。
特に、身に覚えのないログインは軽く見ないでください。弊所は、システム会社の法務で不正アクセス事案の対応に関わってきました。その経験からも、停止の根拠とされた操作に第三者のものが混ざっている可能性は、正当な利用者であることを示すうえで欠かせない事情だと考えています。ログイン履歴の画面や、パスワード変更の通知メールが残っていれば、それも書面の裏づけになります。
どちらがよいか迷うときは、送った書面と、その後に分かったことをそのままお知らせください。書面の中身を見直したうえで、取りうる方法をご案内します。
5 本人確認の書類を求められたら
待った末に届く連絡が、本人確認書類の提出依頼であることもあります。お子さまの活動を発信するアカウントを保護者が運営している場合には、運営者本人の書類に加えて、親子の関係を示す書類を求められることも考えられます。受け取る側が、書面の内容を裏づける材料を求めている段階だと受け止めてよいでしょう。
ただ、こうした書類には家族の個人情報がまとまって載っています。手元から出す前に、次の三点を確かめておきましょう。
参考までに、弊所の扱いもお伝えしておきます。書面の作成のために本人確認書類をお預かりすることはありますが、使うのは書類作成のためだけです。また、マイナンバー、カード情報、パスワードは、どのような場合でもご依頼者に伺いません。復旧の手続きを名目にこれらを聞いてくる相手がいたら、まず疑ってかかってください。
もう一つ、身分証の画像には手を加えないでください。写りが悪いからと文字を補ったり、画像生成のツールで作った身分証を出したりすると、本人確認を通らないだけでなく、虚偽の書類を出したことになりかねません。弊所でも、こうした行為には厳しく対応しています。写りが気になるときは、明るい場所で撮り直すのがいちばん確実です。
読んでも判断がつかないときは、送る前にご相談ください。
6 戻っても、知らせが来ないことがある
アカウントが元に戻るとき、運営会社から必ず知らせが届くとは限りません。理由の説明もないまま、ある日ログインできるようになっていた、ということもあります。書面を送ったあとは、数日おきにアプリを開いてログインできるかを試しておくと、戻ったことに気づき損ねずに済みます。
戻った後は、パスワードの変更や二段階認証の設定など、アカウントの守りを見直す時期でもあります。止まる前に不審なログインがあった場合は、なおさらです。
弊所では、解除されたご依頼者にアカウント管理のマニュアルをお渡ししています。その中でお願いしているのは、解除の直後は投稿やフォローなどの操作をできるだけ控え、少なくとも7日、できれば14日は様子を見ることです。あわせて、決済に使っているカードの番号なども、SNSに登録していなくても変更しておくようご案内しています。戻ったことに安心して一気に使い始めるより、この期間を落ち着いて過ごすほうが、結果としてアカウントを長く守れます。
まとめ
書面を送った後に返事が来なくても、それだけで結論が出たわけではありません。受け取る側では、書面の内容と記録を照らし合わせ、判断の材料がそろうのを待っていることもあります。待っている間は記録を残し、新しいアカウントは作らない。書き漏らした事情が見つかったら、内容を改めた書面を考える。連絡が来たら、送る前に中身を確かめる。この順番で考えるのが近道です。
弊所が行うのは、停止に至るまでの事実関係と証拠を整理し、運営会社への申入書などの書面を作成することまでです。運営会社との交渉や代理、発信者情報開示請求、仮処分や訴訟の手続きは行わないため、こうした手続きが必要な場合は弁護士へのご相談をおすすめしています。
*書面を送ることで、必ずアカウントが元に戻るとお約束するものではありません。結果や期間は、個々の事情によって異なります。
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執筆・運営について
リーリエ行政書士事務所
SNSアカウントの凍結解除・乗っ取り復旧を専門とする行政書士事務所です。事業会社の側で、凍結・利用停止に関する書面を受けて対応方針を検討する審査業務に関与した経験を基礎に、措置をする側とされる側の双方から実務を整理しています。
| 事務所 | リーリエ行政書士事務所 |
|---|---|
| 取扱分野 | SNSアカウントの凍結・乗っ取りからの復旧、SNSアカウント運用サポート |
| 公開 | 2026年11月1日 |


