— 行政書士とは
行政と事業者の、
あいだに立つ仕事です。
弁護士、司法書士、行政書士。どれも法律に関わる資格ですが、関わる時期がまったく違います。優劣ではなく役割の違いであり、その違いを知っていただくことが、適切な相談先を選ぶ近道になります。
— 役割の違い
同じ「法律家」でも、
相談する時期が違います。
| 弁護士 | 司法書士 | 行政書士 | |
|---|---|---|---|
| 主な役割 | 法律事務の全般。交渉と訴訟において、依頼者の代理人となる。 | 登記の専門家。不動産登記・商業登記と、裁判所に提出する書類の作成。 | 官公署に提出する書類の作成と手続。許認可の取得と維持。 |
| 相談する時期 | 問題が起きた後。相手方との対立が表面化してから。 | 権利の変動が確定したとき。取引や設立の結果を残す段階。 | 事業を始めるとき、続けるとき。そして、問題が起きる前。 |
| 代理権 | 交渉・訴訟における包括的な代理権を有する。 | 登記申請の代理。認定を受けた場合は簡易裁判所での代理も可能。 | 官公署への手続の代理。特定行政書士は不服申立ての代理も可能。 |
| 関わり方 | 生じた損害を回復し、相手方に権利を主張する。 | 確定した権利関係を、公の記録として残す。 | 事業が止まらないよう、手続と体制を整える。 |
— 行政書士の視点
勝ち負けではなく、
止めないことを考えます。
同じ出来事を見ていても、立場によって見えるものが変わります。行政書士が持っているのは、次の6つの視点です。
01
行政庁との距離が、近い
許認可の可否は、条文だけで決まりません。運用基準、要綱、窓口の判断、過去の取扱い。実際の結論は、事前相談と事前協議の積み重ねで動きます。行政書士は日常的に官公署へ足を運び、制度がどう運用されているかを知っています。「条文上できない」と「実務上できない」は別のことです。その差を埋めるのが行政書士の仕事です。
02
事業スキームの段階から、関わる
許認可は、事業の形が固まってから申請するものと思われがちですが、実際は逆です。誰が事業主体になるか、どこに何を置くか、どのような契約で回すか。スキームの設計そのものが、許可を取れるかどうかを決めます。だからこそ弊所は、図面が引かれる前、契約が結ばれる前の段階からご相談をいただいています。
03
制度の運用だけでなく、制度そのものにも近い
行政庁や議員に対する政策実行上の法的リスクの助言、条例案の論点整理といった業務にも携わっています。制度がどのような意図で作られ、どこに裁量の余地があるのか。それを知っていることは、事業者側の相談を受けるうえでも大きな差になります。
04
紛争ではなく、日常に関わる
契約書、通知書面、規程、届出。いずれも、何も起きていない日に作られるものです。だからこそ相談の敷居が低く、問題が形になる前の、違和感の段階で呼んでいただけます。この時期にできることが、最も多く残っています。
05
一件ではなく、量を扱う
許認可も届出も、繰り返し発生します。1件ずつ丁寧に処理するのではなく、どうすれば漏れずに回るかを考える職種です。だから書類の作成にとどまらず、業務フローや管理台帳の設計が自然に射程に入ります。
06
法律論ではなく、事業から考える
法的に正しくても、現場で運用できない手順は守られません。事業のスピード、担当者の人数、承認の経路。それらを踏まえずに作られた規程は、必ず形骸化します。事業に近い距離にいることが、行政書士の強みです。
行政書士にできないこと
できることと同じくらい、できないことを先にお伝えすることが大切だと考えています。以下は行政書士の業務範囲外です。ご相談の内容がこれらに該当する場合は、その旨をお伝えし、適切な専門家をご紹介します。
- 相手方との交渉や、代理人としての対応(弁護士の業務です)
- 裁判上の手続、発信者情報の開示に関する請求手続(弁護士の業務です)
- 不動産登記・商業登記に関する手続(司法書士の業務です)
- 税務に関する申告・相談(税理士の業務です)
境界を曖昧にしたまま抱え込むことが、ご依頼者にとって最も損失が大きいと考えています。弊所がお引き受けするのは、書類の作成と、体制の設計と、行政に対する手続です。その範囲の中で、できることは少なくありません。
— 弊所の場合
その視点に、5つの経験を重ねています。
行政書士であること自体は、資格の説明にすぎません。弊所が提供できるのは、その職域に次の立ち位置を重ねたものです。
01
事後を、数多く見てきた
年間約1,500件のご相談。その多くが、すでに起きてしまった問題への対応でした。
02
ルールを、使う側にいた
マーケターとしてのSNS運用経験。運用の速度を知らない規程は、現場で守られません。
03
体制を、回す側にいた
事業会社で月間約100件規模の許認可オペレーションを構築・維持しました。
04
審査の側から、見てきた
2023年より上場準備企業の法務・総務部門の体制構築に関与しています。
05
事業の当事者になった
北海道・東北で、古民家を活用した街づくり事業に構想段階から関与しています。