SNS凍結・乗っ取りはいつまでに動くべきか?時間が経つほど戻しにくい理由
凍結や乗っ取りのご相談で、よくうかがう言葉があります。「しばらく様子を見ていました」というものです。
様子を見たくなるのは自然なことです。突然のことで、何が起きたのかもわからない。自分で何度か試して、うまくいかなかった。そうしているうちに、数日、数週間が過ぎていきます。
ただ、SNSのトラブルでは、時間が経つほど打てる手が減っていくことが少なくありません。この記事では、時間とともに何が失われていくのかを、乗っ取り、凍結、法的手続の三つに分けて整理します。そのうえで、今日のうちにすることと、急がなくてよいことを分けて示します。
この記事は、執筆時点で公表されている公的資料と、私たちがご相談を受けてきた中での傾向をもとにしています。時間が経ってから回復した例もあり、経過した時間だけで結果が決まるわけではありません。個別の見通しは、事案ごとに異なります。
この記事で確認すること
1 時間とともに、何が変わっていくのか
2 乗っ取り:取り戻す手がかりが減っていく
3 凍結:説明の材料が薄れていく
4 法的手続には、別の時計がある
5 「待つ時間」と「失う時間」は違う
6 よくある質問
7 参照した公的資料
1 時間とともに、何が変わっていくのか
はじめに全体像を示します。乗っ取りと凍結では起きることが違いますが、どちらも、時間が経つほど本人の手元から材料が減っていく点は共通しています。
図1 凍結・乗っ取りのあと、時間とともに起こりやすいこと
アカウントに起こること私たちの目安法的手続の期限
気づいた直後
乗っ取りでは、登録メールアドレスや電話番号がまだ元のままのことがある。凍結では、通知メールや画面の表示が手元にあり、直前の操作も思い出せる
数日後
登録情報や認証方法が書き換えられる。乗っ取られたアカウントから、知人へのなりすましメッセージが広がる。焦って同じ文面の申立てを繰り返しやすい
数週間後
投稿やメッセージが消され、プロフィールが変えられる。当時の記憶があいまいになり、時系列を説明しにくくなる
凍結から3か月
凍結されたままのアカウントは、場合によっては投稿などの内容が削除されることがある。私たちは、3か月をひとつの目安として申立ての準備を整えるようおすすめしている
3〜6か月後
事業者の通信履歴が消え、投稿者や侵入者の特定が難しくなるおそれがある
犯人を知ってから6か月
名誉毀損罪や侮辱罪など親告罪について、告訴ができなくなる
*期間は目安で、サービスや事案によって前後します。3か月は私たちが実務で置いている目安、3〜6か月は総務省の有識者会議が示した通信履歴の保存期間の目安、6か月は刑事訴訟法第235条の告訴期間です
この流れを、解除・回復の見込みとの関係で表すと、図2のようになります。見込みを数字で示すものではありませんが、時間とともに打てる手が細っていく傾向をつかんでいただけると思います。
図2 解除・回復の見込みと、経過した時間の関係(イメージ)
帯の長さは、回復に向けて打てる手の多さを表しています
気づいた直後 打てる手が最も多い。記録も手がかりもそろっている
数日後 登録情報の書き換えや同じ文面の申立てで、手が減り始める
数週間後 記録や記憶が薄れ、当時の状況を組み立て直す必要が出てくる
凍結から3か月 内容が削除されるおそれがある(私たちの目安)。受任が難しくなる場合もある
6か月以降 通信履歴の保存や告訴期間も過ぎていき、見込みは高くないことが多い
*見込みを数値で示すものではありません。経過した時間のほか、停止の理由や残っている記録によって大きく変わります。期限が表示される一時的な制限は、この図の対象外です
2 乗っ取り:取り戻す手がかりが減っていく
乗っ取られたアカウントを取り戻す手続では、多くの場合、登録しているメールアドレスや電話番号を使って本人かどうかを確かめます。乗っ取った側がまずこれらを書き換えるのは、本人が取り戻す道をふさぐためです。熊本県警察も、乗っ取りが疑われるときは、アカウントの登録情報や認証方法が変更されていないかを確認するよう呼びかけています。ログインできるうちに登録メールアドレスを確かめ直す手順は、「Xのメールアドレスを変更する方法」にまとめています。
この種の被害は、いまも多く寄せられています。IPA(情報処理推進機構)の情報セキュリティ安心相談窓口には、2026年7月から9月の3か月で、不正ログインに関する相談が395件寄せられました。FacebookやInstagramなどに不正ログインされ、自分ではログインできなくなったという相談が多いとされています。
時間が経つと、被害は本人の外へも広がります。IPAが紹介した相談事例では、LINEを乗っ取られた人のアカウントから、知人や家族に送金を求めるメッセージが送られていました。神奈川県警察も、アカウントを乗っ取られたときは、友人やフォロワーに注意を呼びかけるよう案内しています。乗っ取られている時間が長いほど、本人の名前で被害に遭う人が増えていきます。
もう一つ見落とされやすいのが、乗っ取りが凍結に変わることです。乗っ取られたアカウントから不審な投稿やメッセージが繰り返されれば、プラットフォームの側からは、規約違反を続けているアカウントに見えます。その結果、本人が取り戻す前にアカウントが停止されることもあります。こうなると、取り戻す手続と、停止を解いてもらう手続の両方が必要になります。
ご相談でよくある経過(例)
乗っ取りに気づいてから5日後のご相談。その時点で、登録メールアドレスと電話番号は書き換えられ、二段階認証も相手側で設定されていました。知人には、投資を勧めるDMがすでに送られていました。もとのメールアドレスに残っていた変更通知と、ご本人の利用履歴を手がかりに、本人確認を求める申立書面を作成しました。あわせて、別のSNSから知人へ注意を呼びかけていただきました。
取り戻すことにこだわり続けるのが、いつも正解とは限りません。総務省の「国民のためのサイバーセキュリティサイト」は、公式アカウントを乗っ取られた団体が、そのアカウントを閉鎖して新しいアカウントへ移行すると発表した事例を紹介しています。判断の分かれ目は、正規の窓口で本人であることを示す手がかりが、まだ残っているかどうかです。手がかりが残っていれば取り戻す手続を進め、残っていなければ、移行を告知して被害の広がりを止めることを優先する。この見極めも、早いほどしやすくなります。
ISSUE
論点 乗っ取られているあいだの投稿は、誰の責任か
乗っ取られたアカウントから知人に詐欺のDMが送られた場合、その責任を負うのは誰か。ここには二つの考え方があります。
一つは、本人は被害者であり、投稿やメッセージの責任を負うのは実際に送った者だという考え方です。一般的には、こちらが出発点になります。もう一つは、乗っ取りに気づいたあとも注意を呼びかけず、手続もしないまま放置していた場合には、被害に遭った人との関係で、本人の対応が問われる余地もあるという考え方です。どこまで問われるかは事案によって分かれ、一律には言えません。
ここで効いてくるのも時間です。私たちは、気づいた日と、その日にとった対応を記録に残すことが、本人を守る材料になると考えています。いつ気づき、誰に知らせ、どの窓口に手続をしたのか。乗っ取りの被害者であることを後から示すうえでも、この記録が土台になります。
3 凍結:説明の材料が薄れていく
凍結(利用停止)の解除を求める申立ては、停止された時期に自分が何をしていたのかを説明する作業です。時間が経つと、この説明の材料が手元から薄れていきます。
失われるのは、本人の手元の材料だけではありません。凍結されたままのアカウントは、場合によっては、投稿や画像などの内容が削除されることがあり得ます。削除の時期や条件はサービスごとに異なり、外から確かめられるとは限りません。そこで私たちは、凍結から3か月をひとつの目安とし、それまでに申立ての準備を整えるようおすすめしています。3か月を過ぎたら手遅れという意味ではありません。アカウントが戻っても中身が残っていない、という事態を避けるための目安です。
私たちは、事業会社の側で、利用停止についての書面を受けて対応を検討する仕事にも携わってきました。受け止める側から見て検討を進めやすいのは、停止された時期と、その直前の利用状況が具体的に書かれた申立てです。いつ、どの端末で、何をしていたのか。時期が近いほど、本人もはっきり書けます。数か月後の申立てでは「覚えていない」「たぶん」が増え、読む側も判断の手がかりを得にくくなります。
待っているあいだの行動にも注意が必要です。一つは、同じ文面の申立てを何度も送ることです。件数を重ねても、中身が同じなら判断の材料は増えません。もう一つは、停止中に別のアカウントを作ることです。多くのプラットフォームは、停止を免れるための別アカウントの作成を規約で制限しています。新しいアカウントまで停止されると、状況はさらに込み入ります。
一方で、時間が解決する場面もあります。画面に解除までの期限が示される一時的な機能制限は、期限が来れば元に戻ることがあります。ここでの分かれ目は、期限が示されているかどうかです。期限の示されていない停止は、待っているだけで状況が変わることを期待しにくいと私たちは考えています。
ご相談でよくある経過(例)
凍結から4か月後のご相談。停止前後のスクリーンショットや通知メールは残っておらず、当時の利用状況を、ご本人の別のSNSへの投稿や決済の記録から組み立て直しました。申立ての準備には3週間ほどかかりました。投稿などの内容が一部戻らない可能性があることは、受任の前にお伝えしています。
4 法的手続には、別の時計がある
投稿者や侵入者を突き止めたい、責任を問いたいと考えるときは、プラットフォームの手続とは別の時計が動いています。ここでは二つを取り上げます。
| 時計 | 期間の目安 | 根拠 |
|---|---|---|
| 通信履歴の保存 | 少なくとも3〜6か月程度の保存が望ましいとされる | 総務省の有識者会議の報告書(2025年9月) |
| 親告罪の告訴 | 犯人を知った日から6か月 | 刑事訴訟法第235条 |
一つ目は、通信履歴です。総務省の有識者会議は2025年9月の報告書で、通信履歴の保存期間が過ぎたために発信者情報の開示を受けられない事例が相当数あったと指摘しました。そのうえで、SNSなどの事業者は少なくとも3〜6か月程度、通信履歴を保存することが望ましいという考え方を示し、総務省は関係団体に必要な措置を要請しています。裏返せば、それより前に記録が消えていることもあり得るということです。
二つ目は、告訴期間です。名誉毀損罪や侮辱罪のような親告罪は、犯人を知った日から6か月を過ぎると告訴ができなくなります。不正アクセス禁止法違反は親告罪ではないため、この期限はかかりません。ただ、記録が残っているうちに動くほうが、捜査機関にも状況を伝えやすくなります。
リーリエ行政書士事務所の視点
リーリエ行政書士事務所は、SNSトラブルを専門に、弁護士と協業する形で100件を超える刑事手続に関わってきました。告訴状の作成は事務所で行い、提出の代理や捜査機関との折衝、示談の交渉は弁護士が担う、という分担です。
告訴状を作るとき、最初に確かめるのは、いつ、何が起きたのかを示す記録です。告訴状は、出来事を日時の順に並べ、それぞれを記録で裏づけていく書面です。時間が経ってからのご相談ほど、この並べる作業に手間がかかります。告訴期間や通信履歴の保存期間という法の時計に加えて、書面を組み立てる側にも時間の影響が出る。これは、刑事手続に関わってきた中での実感です。
発信者情報開示請求の手続や、捜査機関とのやり取りは弁護士の業務です。私たちが担うのは、その前提となる事実関係と証拠の整理、書面の作成までです。どの手続を選ぶにしても、出発点は同じで、気づいた時点の記録が残っているかどうかです。
ここまでに出てきた関係者を、本人を中心に整理すると図3のようになります。誰とのあいだで、時間が何を変えるのかを一枚にまとめました。
図3 本人を中心にした相関図
本人(アカウントの持ち主)
当時の記録を持っているのは本人だけ
⇅ 三つの方向の関係
向き合う相手
プラットフォーム
本人が申立てを出し、審査と回答を待つ
時間が経つと 凍結が長引けば内容が削除されるおそれ(私たちの目安は3か月)。通信履歴も消えていく
乗っ取った側
登録情報を書き換え、本人になりすます
時間が経つと 本人確認の手がかりが減り、なりすましが続く
守る相手
知人・フォロワー
本人の名前で、送金や投資を勧めるDMが届く
時間が経つと 被害に遭う人が増える。別の経路で早めに注意を呼びかける
支える側
私たち(行政書士)
事実関係と証拠を整理し、申立書面などを作成する
時間が経つと 当時の状況の組み立て直しに手間がかかり、受任が難しくなる場合もある
弁護士
発信者情報開示請求や、捜査機関とのやり取りを担う
時間が経つと 通信履歴が消え、投稿者や侵入者の特定が難しくなる(3〜6か月程度)
警察
相談を受け、被害届や告訴をもとに捜査する
時間が経つと 親告罪は、犯人を知った日から6か月で告訴ができなくなる
*3か月は私たちが実務で置いている目安です。3〜6か月は総務省の有識者会議、6か月は刑事訴訟法第235条によります
5 「待つ時間」と「失う時間」は違う
ここまで読むと、とにかく急げと言っているように見えるかもしれません。ただ、私たちの考えは少し違います。
急いで申立てを出すべきか、材料をそろえてから出すべきか。この点には二つの考え方があります。一つは、早く出すほど早く検討してもらえるのだから、すぐに出すべきだという考え方です。もう一つは、中身の薄い申立てを急いで出すより、事実を整理してから一度で伝えるほうがよいという考え方です。どちらにも理があります。
私たちは、時間を二つに分けて考えています。プラットフォームの回答を待つ時間と、何もしないまま過ぎていく時間です。前者は避けられません。失ってはいけないのは後者です。本人の時計は焦りで速く進み、プラットフォームの時計は審査の順番で進み、法の時計は保存期間と告訴期間で進みます。三つの時計は別々に動いているので、焦りに合わせて申立てを連発しても、ほかの二つは速くなりません。
図4 別々に進む三つの時計
本人の時計
焦りで速く進む。申立てを何度送っても、ほかの時計は速くならない
プラットフォームの時計
審査の順番で進む。凍結が続けば、内容が削除されるおそれもある(私たちの目安は3か月)
法の時計
通信履歴の保存期間(3〜6か月程度)と、親告罪の告訴期間(犯人を知って6か月)で進む
三つの時計すべてに効くのは、気づいた時点の記録
*プラットフォームの時計の3か月は、私たちが実務で置いている目安です
そこで、記録の保存と手がかりの確保は今日のうちに済ませ、申立ては事実と証拠がそろってから、一度でわかる形で出す。これが私たちのおすすめする順番です。申立ての書き方は、「Xアカウント凍結の異議申し立て例文集」も参考にしてください。
| いつ | すること |
|---|---|
| 今日のうちに | 停止や乗っ取りの画面を、日時とアカウント名が写るようにスクリーンショットで保存する。通知メールを消さずに残す |
| 今日のうちに | ログインできるなら、パスワードを変え、見覚えのない端末をログアウトさせ、登録情報と認証方法を確認する。同じパスワードを使っているほかのサービスも変える |
| 今日のうちに | ログインや閲覧ができる状態なら、投稿や画像、メッセージなど、残しておきたい内容を手元に保存する |
| 今日のうちに | 乗っ取りの場合は、知人やフォロワーに別の経路で注意を呼びかける |
| 数日以内に | いつ気づき、何を試したかを時系列のメモにする。正規の窓口から手続をする。金銭の被害や脅迫があれば警察に相談する |
| しないこと | 同じ文面の申立てを繰り返す。停止中に別のアカウントを作る。「復旧できる」と名乗るDMに返信したり、認証コードを伝えたりする |
IPAも、SNSなどから送られてきたリンクやSMSで届いた認証コードを第三者に伝えないよう注意を呼びかけています。アカウントを失って焦っているときほど、「すぐ戻せます」という言葉は魅力的に見えます。その焦りにつけ込む二次被害にも気をつけてください。
ご相談をいただくと、私たちはまず、凍結や乗っ取りがいつ起きたのかをうかがいます。ここまで見てきたとおり、経過した時間によって、手元に残っている材料も、取れる手段も変わるからです。凍結であれば、内容が削除されるおそれに備えた3か月の目安にどれだけ余裕があるかも、この時点で確かめます。
同じ理由から、相当の時間が過ぎてからのご相談では、受任そのものが難しいこと、あるいは回復の見込みが高くないことを、最初にお伝えする場合があります。厳しい話に聞こえるかもしれませんが、時間がもたらす影響を前提にしたお答えです。
相談するかどうか迷っているあいだにも、時間は過ぎていきます。迷う時間を短くするために、私たちは無料の診断ツール「SNSトラブルアセスメント(β版)」を用意しています。
SNSトラブルアセスメント(β版)
無料・会員登録不要・依頼の義務なし
相談票の入力と、届いた通知やサポートとのやり取りをもとに、次の内容をレポートにまとめます。レポートはPDFで保存できます。
1回復の見込みの目安
2アカウントの状態と、止まっている理由として考えられる点
3いま取り組むべき対策
4状況を悪くしかねない行動
*診断結果は目安で、凍結解除や復旧を保証するものではありません。乗っ取りに遭っている場合は、診断を待たずに、パスワードの変更など自分でできる対応を先に済ませてください
警察への相談は、最寄りの警察署のほか、警察庁の「サイバー事案に関する相談窓口」からも行えます。緊急でないご相談は、警察相談専用電話「#9110」でも受け付けています。
6 よくある質問
Q凍結されてから1か月たちました。もう遅いでしょうか。
A遅いとは限りません。経過した時間だけで結果が決まるわけではないからです。ただ、材料は早いほどそろえやすいのも事実です。また私たちは、凍結されたアカウントの内容が削除されるおそれに備えて、凍結から3か月をひとつの目安にしています。1か月であれば、その前に準備を整えることができます。いまの画面と残っている通知を保存し、思い出せる範囲で時系列を書き出すところから始めてください。いまの状況でどの程度の見込みがあるかは、無料の診断ツールでも目安を確かめられます。
Q相談すると、最初に凍結や乗っ取りの時期を聞かれるのはなぜですか。
A経過した時間によって、残っている材料も、取れる手段も変わるからです。凍結の場合は、内容が削除されるおそれに備えて、3か月の目安までどれだけ余裕があるかも確かめます。相当の時間が過ぎている場合は、受任が難しいことや、回復の見込みが高くないことを最初にお伝えすることがあります。正確な日がわからなくても、おおよその時期で構いません。
Q画面に解除までの期限が表示されています。それでも何かすべきですか。
A期限が示された一時的な制限であれば、期限まで待つのが基本です。その間も、画面の保存と、制限の直前に何をしていたかのメモは残しておいてください。期限を過ぎても解除されない場合や、期限の表示がない停止の場合は、申立てを検討する段階です。
Q乗っ取られたアカウントはあきらめて、新しく作り直すべきですか。
A本人であることを示す手がかりが残っているなら、取り戻す手続を進める価値があります。手がかりがなく、なりすましの被害が広がっている場合は、移行を告知して被害を止めることを優先する選択もあります。なお、凍結されたアカウントの代わりに新しく作ることは、規約上の問題が生じるおそれがあるため、乗っ取りとは分けて考えてください。乗っ取られたアカウントを消したい場合の考え方は、「X乗っ取りアカウントを削除したい人へ」で整理しています。
Q乗っ取った相手を突き止めたいのですが、いつまでに動けばよいですか。
Aはっきりした期限が一つあるわけではありませんが、事業者の通信履歴は数か月で消えていることがあります。特定のための法的手続は弁護士の業務になるため、記録を整えたうえで、早めに弁護士へ相談してください。事実関係と証拠の整理、書面の作成は、私たちでもお手伝いできます。
まとめ
SNSのトラブルでは、時間は取り戻そうとする側より、奪った側に味方しやすいものです。登録情報は書き換えられ、なりすましは広がり、記録は消え、凍結が長引けば内容が削除されるおそれもあり、法的手続の期限も近づいていきます。
ただし、急ぐべきなのは申立ての数ではありません。記録を残すこと、手がかりを確保すること、周りへの被害を止めること。この三つを今日のうちに済ませれば、そのあとの時間は「失う時間」ではなく「待つ時間」になります。
様子を見ているあいだにも、時計は進んでいます。迷ったら、まず記録から始めてください。
関連記事
ログインできるうちに、登録情報を確かめ直すために
材料がそろったら、一度で伝わる申立てを書くために
取り戻すより、消して被害を止めたいと考えたときに
SNSアカウントの凍結・乗っ取りのご相談
凍結・乗っ取りに気づいた時期と、画面のスクリーンショットを添えてご連絡ください。お急ぎの場合は、その旨もお書き添えください
7 参照した公的資料
IPA「情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況[2026年第3四半期(7月~9月)]」
IPA「情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況[2026年第2四半期(4月~6月)]」
総務省「通信履歴の保存の在り方に関する要請の実施」(令和7年9月16日)
総務省「ICTサービスの利用を巡る諸問題に対する利用環境整備に関する報告書(令和7年9月、抜粋)」
AUTHOR & SUPERVISION
執筆・運営について
リーリエ行政書士事務所
SNSアカウントの凍結解除・乗っ取り復旧を専門とする行政書士事務所です(東京都行政書士会所属)。業務範囲は、事実関係と証拠の整理、申立書面・通知書面・開示請求書面等の作成までです。交渉の代理、発信者情報開示請求、仮処分・訴訟の手続は行っていません。
| 事務所 | リーリエ行政書士事務所 |
|---|---|
| 取扱分野 | SNSアカウントの凍結・乗っ取りからの復旧、SNSアカウント運用サポート |
| 公開 | 2026年11月3日 |


