SNS凍結解除の事例6件 X・Instagram・Threadsで依頼者から届いた「戻りました」の報告

凍結や乗っ取りのご相談を受けると、最初にほぼ必ず聞かれるのが「本当に戻るんですか」という質問です。言葉で説明するより、実際に届いたメッセージを見ていただくほうが伝わると考え、この記事をまとめました。

弊所には、凍結・ロック・乗っ取りのご相談が日々寄せられています。この記事で紹介するのは、2026年9月から10月にかけて復旧のご報告をいただいた案件のうち、掲載のご了承をいただけた6件です。

リーリエ行政書士事務所は、事業会社の側で凍結や利用停止に関する書面を受け取り、対応方針を検討する審査業務に関わってきました。事例の紹介にあわせて、凍結・ロック・乗っ取りでそれぞれ戻り方がどう違うのか、復旧までどのように進むのかも解説します。いま同じ状況にある方が、ご自身のケースに当てはめて読めるようにしました。

画像は、ご依頼者さまのご了承を得たうえで、お名前とアイコンが分からないよう加工して掲載しています。ここに挙げたのは復旧に至った事例の一部で、すべてのご依頼で同じ結果になるわけではありません。

先に結論

一つは、X・Threads・Instagramのいずれでも、運営会社への正式な書面を送ったあとに状況が動いたことです。二つ目は、復旧までの期間に翌日から半年以上までの幅があり、「永久凍結」からの解除もあったことです。三つ目は、戻ったあとのセキュリティと運用の仕方まで含めて、復旧が完了するということです。あわせて、2026年10月に相次いだ個人情報の漏えいは、SNSの乗っ取り、さらには凍結へと連鎖するおそれがあります。

この記事で確認すること

1 凍結・ロック・乗っ取りは、戻り方がそれぞれ違う
2 紹介する6件の一覧
3 届いた報告と、それぞれの経過
4 6件を通して見えること
5 2026年10月、相次ぐ個人情報漏えいとSNS乗っ取りの連鎖
6 ご相談から復旧までの流れ
7 書面の裏付けになっている経験
8 弊所の対応スタンス
9 よくある質問

1 凍結・ロック・乗っ取りは、戻り方がそれぞれ違う

「アカウントが使えない」という状態でも、原因によって取るべき手段は変わります。事例を読む前に、まずご自身がどの状態にあるのかを確認してください。

状態 どういう状態か 戻り方の考え方
ロック 不審な動きなどを理由に、一時的に機能が制限されている 本人確認やWebでの手続で解除されることが多い。繰り返すと解除が難しくなる
凍結(利用停止) 規約違反と判断され、アカウントの利用が止められている 異議申し立てで、判断の誤りや事情を示して見直しを求める
永久凍結 異議申し立てが認められず、停止が維持されると通知された状態 表示上は「永久」でも、新たな事情や資料を示して見直しを求める余地がある
乗っ取り 第三者にログインされ、メールアドレスや電話番号を書き換えられている 「本来の持ち主は自分だ」と示す資料をそろえることが中心になる

乗っ取られたアカウントが不正な投稿に使われ、その結果として凍結される、という連鎖もあります。この場合は「乗っ取りの被害を受けたこと」と「違反は自分の行為ではないこと」の両方を示す必要があり、手続はさらに複雑になります。

2 紹介する6件の一覧

SNSの種類も、状態も、かかった期間もさまざまな6件を選んでいます。

事例 SNS 状態 結果
1 X 利用停止 書面を添えた問い合わせの翌日に復旧
2 X 利用停止 国内拠点への書面到着後に解除
3 Threads 利用停止 再び使える状態に
4 Instagram 利用停止 アカウント復活
5 X 永久凍結 半年以上の対応を経て解除
6 X ロック Webでの申立てと並行して解除

*復旧のご報告をいただいた案件のうち、掲載のご了承をいただいた一部です

3 届いた報告と、それぞれの経過

それぞれの事例について、どのような経過をたどったのか、どこがポイントだったのかを解説します。

事例1 長年使っていたXアカウント(利用停止)

X宛ての書面をお送りした後、しばらく動きがありませんでした。到達から間もない時期だったため、催告は急がず、もう少し待つようお伝えしています。その後、ご依頼者さまが書面を撮影してXのフォームから改めて問い合わせたところ、深夜に復旧手続の案内が届き、翌日に取り戻すことができました。

Xのサイトから書面を添えて問い合わせたところ深夜に返信があり、アカウントを取り戻せたというご依頼者からのメッセージ

*お名前とアイコンは伏せています

書面は郵送するだけのものではありません。弊所の書面は、ご依頼者さまご自身が公式フォームから申し立てる際の添付資料としても使える形にしています。また、送付直後に催告を重ねると、かえって対応が遅れることもあるため、待つべき時期かどうかを見極めることも大切です。

事例2 書面が国内拠点に届いた後に解除されたXアカウント(利用停止)

日本語の申入書と英文版を作成し、国内拠点と米国本社の双方へ送付した案件です。ご依頼者さまの見立てでは、国内拠点に書面が届いた後、米国側にはまだ届いていないタイミングで解除されたとのことでした。

Xの本アカウントを取り戻せたというご依頼者からのメッセージ

*お名前とアイコンは伏せています

海外に本社がある運営会社では、どの拠点に、どの言語で届けるかが一つの判断になります。この方からは、復旧後に自分で設定した二段階認証が外されないかというご質問もいただきました。復旧後の二段階認証とパスワードの変更は、再びの乗っ取りを防ぐうえで有効です。設定内容は控えておき、不審な変化があればすぐにご連絡いただくようお伝えしています。

事例3 Threadsのアカウント(利用停止)

使えなくなっていたThreadsのアカウントについて、書面を作成して送付手続を行いました。後日、ご依頼者さまがアプリを開いたところ、問題なく使える状態に戻っていたそうです。

Threadsのアカウントが使えるようになったというご依頼者からのメッセージ

*お名前とアイコンは伏せています

Threadsは、Instagramのアカウントと連携して使われていることが多いサービスです。片方の制限がもう片方に影響することもあるため、ご相談の際は両方の状態を確認したうえで書面の内容を決めています。

事例4 Instagramのアカウント(利用停止)

Meta社宛ての書面を送付した案件です。送付から間もなく、ご依頼者さまから復活のご報告が届きました。

Instagramのアカウントが復活したというご依頼者からのメッセージ

*お名前とアイコンは伏せています

Instagramでは、アプリ内の異議申し立てに定型の返信しか来ず、行き詰まってしまう方が少なくありません。アプリの外から、事情を整理した書面で申し入れることで、別の窓口に検討を求めることができます。

事例5 半年以上かかった永久凍結の解除

今回紹介する6件で、もっとも時間がかかった案件です。いわゆる永久凍結の状態から、書面の作成と送付、その後の対応を重ね、半年以上をかけて解除に至りました。

半年以上かかって永久凍結から解除されたというご依頼者からのメッセージ

*お名前とアイコンは伏せています

「永久凍結」と表示されても、それで終わりとは限りません。ただし、長期戦になるほど、通知のスクリーンショットや申し立ての履歴といった記録の有無が効いてきます。すぐに結果が出なくても、記録を残しながら、状況に応じて書面を重ねていくことが大切です。

事例6 ロックの解除と、その後の過ごし方

アカウントのロックについて、書面の準備と並行して、弊所からもWebでの申し立てを行った案件です。解除のご報告とあわせて「今日は投稿しないほうがいいか」とのご質問をいただきました。

ロック解除の直後に、気をつけることを尋ねたご依頼者からのメッセージ

*お名前とアイコンは伏せています

解除の直後に大量の投稿やフォロー操作をすると、再びロックの対象になるおそれがあります。二回目のロックは、一回目より解除が厳しくなる傾向があるため、しばらくは落ち着いた運用をおすすめしています。

4 6件を通して見えること

アプリの中の手続だけで行き詰まらない

異議申し立てのフォームは、多くの場合、定型の文面で処理されます。何度送っても同じ返信しか来ないという方は少なくありません。6件はいずれも、運営会社宛ての正式な書面を送付した後に状況が動いています。書面を送れば必ず戻るわけではありませんが、フォームとは別の経路で、事情を整理して伝えることには意味があります。

期間には大きな幅がある

翌日に戻った例もあれば、半年以上かかった例もあります。運営会社の審査の状況や、停止の理由によって、かかる時間は大きく変わります。早く戻らないからといって、あきらめる理由にはなりません。反対に、待つべき時期に焦って申し立てを重ねると、かえって逆効果になることもあります。

戻ったあとが、次のトラブルの分かれ目になる

事例2と事例6のように、復旧のご報告と一緒に「この後どうすればいいか」というご質問をいただくことがよくあります。二段階認証の設定、パスワードの変更、解除直後の運用の仕方まで含めて、復旧は完了します。

5 2026年10月、相次ぐ個人情報漏えいとSNS乗っ取りの連鎖

2026年10月は、企業や団体からの個人情報の漏えいが相次いで公表された月でした。個人情報保護委員会は10月7日、大規模な漏えい等の事案を踏まえた注意喚起を公表し、その後も警察庁、国家サイバー統括室、総務省、経済産業省、IPA、JPCERT/CCなどの公的機関から、立て続けに注意喚起が出されています。

「自分はSNSのトラブルとは関係ない」と思われるかもしれません。しかし、漏れた情報はそこで止まらずに、SNSアカウントの乗っ取りへ、さらには凍結へと連鎖することがあります。

漏えいから凍結までの連鎖

1漏えい 利用していたサービスから、メールアドレス、電話番号、パスワードなどが流出する

2悪用 流出したパスワードでSNSへのログインが試される。流出元の企業やSNS運営を装った偽のメール・SMSが届き、ログイン情報を入力させられる

3乗っ取り SNSアカウントや、SNSに登録しているメールアカウントに侵入され、パスワードや登録情報を書き換えられる

4凍結 乗っ取ったアカウントから詐欺やスパムが発信され、その投稿を理由にアカウントが凍結される。フォロワーにも被害が広がる

特に注意が必要なのは、同じパスワードを複数のサービスで使い回している場合と、SNSに登録しているメールアカウントそのものが狙われる場合です。メールアカウントを奪われると、SNSのパスワード再設定の手続まで相手に握られてしまいます。

そして4の凍結まで進んでしまうと、復旧の手続は格段に難しくなります。「乗っ取りの被害者であること」と「凍結の原因になった投稿は自分のものではないこと」を、両方示さなければならないからです。

いま、やっておきたいこと

デジタル大臣は10月6日の記者会見で、国民に向けて三つの対策を呼びかけました。警察庁も、流出元の企業を装った偽メールへの注意をあわせて呼びかけています。SNSアカウントを守るうえでも、そのまま当てはまる内容です。

対策 具体的にすること
パスワードの使い回しをやめる SNSと、SNSに登録しているメールアドレスは、ほかのサービスと別のパスワードにする
二段階認証を設定する SNSと登録メールの両方で、認証アプリやワンタイムパスワードによる多要素認証を有効にする
リンクからログインしない メールやSMSのリンクは開かず、公式アプリや公式サイトから確認する
漏えいの通知を保存する 万が一乗っ取りや凍結が起きたとき、経緯を示す資料になるため、通知のメールは削除しない

取り戻したアカウントを守り続けることも復旧の一部です。漏えいが相次いでいるいまは、すでに復旧した方も、一度設定を見直してください。

6 ご相談から復旧までの流れ

弊所にご依頼いただいた場合、おおむね次のように進みます。

1LINEでのご相談 いつ、どのような通知が来たのか、どの状態にあるのかをうかがいます

2経過と資料の整理 通知のスクリーンショット、登録情報、アカウントの利用状況など、申し立ての根拠になる材料を整理します

3宛先と方針の決定 国内拠点か本社か、日本語か英文かを含め、どこに何を伝えるかを決めます

4書面の作成と送付 内容をご確認いただいたうえで、弊所から送付の手続を行います

5経過のフォロー 運営会社からの返答や状況の変化に合わせて、待つか、次の手を打つかをご相談します

6復旧後のアドバイス セキュリティの設定や、解除直後の運用の注意点をお伝えします

7 書面の裏付けになっている経験

凍結の解除を求める書面は、ただ丁寧に書けば通るものではありません。読む側がどこを見て判断するのかを知っているかどうかで、書面の組み立ては変わります。

経験 書面づくりへの生かし方
運営会社側で、凍結に関する書面を審査してきた ご本人・弁護士・行政書士から届いた凍結や利用停止に関する書面を受け、対応方針を検討してきました。受け取る側の視点を、書面の組み立てに生かしています
大手システムインテグレーターでのIT法務と、不正アクセスへの対応 乗っ取りの経緯を、技術と法律の両面から整理できます
弁護士と協業し、100件を超える刑事手続に関与 告訴状の作成を通じて刑事手続に関わってきました。乗っ取りやなりすましの被害で、警察への相談が必要になる場面にも対応できます
十数年にわたるSNSマーケティングと運用代行の実務 アカウントを育て、運用する側の事情を踏まえて、事業や生活にとってのアカウントの重みを書面に反映します

8 弊所の対応スタンス

「必ず戻ります」とは言いません

凍結を解除するかどうかを決めるのは、最終的には運営会社です。結果を約束することはできませんし、約束する業者には注意が必要です。そのかわり、事実を整理し、運営会社が判断を見直す材料になる書面を、根拠を示してつくることに力を注いでいます。

送ったあとも、一緒に待ちます

事例1のように、催告を急ぐより待つほうがよい時期もあれば、事例6のように並行して申し立てを進めたほうがよい場面もあります。書面を送って終わりではなく、届いた返答や状況の変化に合わせて、次の一手をご相談しながら進めます。

できることと、弁護士に任せることを分けています

行政書士の業務は、書面の作成とその送付の手続です。運営会社との交渉の代理や、警察への告訴の提出代理、示談交渉が必要になった場合は、協業している弁護士におつなぎします。役割を分けることで、ご依頼者さまが安心して任せられる形を保っています。

ログイン情報(パスワードや認証コード)を弊所がお預かりすることはありません。「パスワードを教えてくれれば復旧させる」という申し出には応じないでください。二次被害のおそれがあります。

9 よくある質問

Q自分で何度も異議申し立てをしましたが、同じ返信しか来ません。

A定型の返信が続く場合でも、そこで終わりとは限りません。それまでの申し立ての履歴や返信の内容は、書面をつくる際の材料になります。削除せずに保存したうえで、ご相談ください。

Q「永久凍結」と表示されました。もう戻らないのでしょうか。

A事例5のように、永久凍結から解除に至った例もあります。ただし時間がかかることが多いため、通知の記録を残し、長い目で対応する心づもりが必要です。

Q乗っ取られて、メールアドレスも電話番号も変えられてしまいました。

A登録情報を書き換えられていても、アカウントの作成時期や以前の登録情報、利用の経過などから、本来の持ち主であることを示せる場合があります。乗っ取りは不正アクセス禁止法に触れ得る行為でもあるため、警察への相談もあわせて検討してください。

Q復旧したら、すぐに元どおり使っても大丈夫ですか。

A解除直後は、しばらく投稿やフォローの操作を控えめにすることをおすすめしています。あわせて、二段階認証の設定とパスワードの変更を行ってください。

Q利用していたサービスから「情報が漏えいした」と通知が来ました。SNSは大丈夫でしょうか。

A漏えいしたサービスと同じパスワードをSNSや登録メールで使っている場合は、すぐに変更してください。あわせて二段階認証を設定し、ログイン履歴に見覚えのない端末がないかを確認します。通知のメールは、万が一のときの資料になるため削除せずに残しておいてください。

まとめ

凍結・ロック・乗っ取りは、状態によって戻り方が違います。紹介した6件では、X・Threads・Instagramのいずれでも、運営会社への書面の送付後に状況が動きました。期間は翌日から半年以上までと幅があり、永久凍結からの解除もありました。

2026年10月に相次いだ個人情報の漏えいは、乗っ取りから凍結へと連鎖しうるものです。パスワードの使い回しをやめ、二段階認証を設定しておくことが、いちばん手前の備えになります。

弊所は結果を約束することはできませんが、凍結の書面を受け取る側の視点と実務をもとに、送付後の経過まで一緒に対応します。あきらめる前に、一度ご相談ください。

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参考資料

大規模な漏えい等事案を踏まえた対応について(注意喚起)(個人情報保護委員会、令和8年10月7日)

古川デジタル大臣記者会見(デジタル庁、令和8年10月6日)

サイバー警察局便り 2026 Vol.19(警察庁)

直近で相次いでいる国内組織における不正アクセスに関する注意喚起(JPCERT/CC)

サイバー事案に関する相談窓口(警察庁)

*掲載した事例は、ご報告をいただいた時点の内容です。解除の時期や理由についての見立てはご依頼者さまによるもので、運営会社が理由を明らかにしたものではありません。本記事は復旧を保証するものではありません。

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執筆・運営について

リーリエ行政書士事務所

SNSアカウントの凍結解除・乗っ取り復旧を専門とする行政書士事務所です。事業会社の側で、凍結・利用停止に関する書面を受けて対応方針を検討する審査業務に関与した経験を基礎に、措置をする側とされる側の双方から実務を整理しています。

事務所 リーリエ行政書士事務所
取扱分野 SNSアカウントの凍結・乗っ取りからの復旧、SNSアカウント運用サポート
公開 2026年11月2日