役所の「扶養照会」は拒否できる|絶縁・音信不通を理由に断る手順と書き方を解説【2027年夏更新】
最終更新日:2026年7月19日
「扶養照会について」──役所からの見慣れない封筒が突然届き、疎遠になっていた家族の名前を目にして、この記事にたどり着いた方も多いはずです。何年も、あるいは何十年も連絡を絶っていた相手の名前が、公的な書類に印字されている。それだけで動悸がした、封を開けるのに時間がかかった、という方も珍しくありません。不安や混乱を感じたとしても、それは決して大げさな反応ではありません。
まず、落ち着いて知っておいてほしいことがあります。
この書類は、仕送りを強制する命令書ではありません。そして、一定の条件を満たす場合には、扶養が難しい旨を適切に伝えることで、照会不要と判断される可能性があります。
この記事では、行政書士の視点から、次のポイントを具体的な手順と文例つきで解説します。
- 扶養照会を拒否できる(照会不要と判断されやすい)条件
- 役所に提出する理由書の書き方と、そのまま参考にできる文例
- 自分ひとりで対応する場合に見落としがちなリスクと負担
- 専門家(行政書士)に依頼した場合に何が変わるのか
- 放置した場合に何が起きるか、そして最善の対処法
一人で抱え込まず、まずは正しい情報を知るところから始めましょう。
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①「扶養照会」とは何か?なぜ突然、自分に届くのか
生活保護申請がトリガー──役所が動く仕組み
扶養照会とは、誰かが生活保護を申請したときに、福祉事務所が申請者の親族に対して「経済的な援助ができますか?」と確認する手続きのことです。
具体的な流れはこうです。生活保護の申請が出ると、福祉事務所は戸籍や住民票をもとに申請者の親族(親・子・兄弟姉妹などの直系血族・兄弟姉妹が中心)を割り出し、照会文書を送付します。あなたに届いたのは、あなたが何か問題を起こしたからでも、悪いことをしたからでもありません。ただ、戸籍上のつながりがあった、それだけの理由です。
言い換えれば、あなたがどれほど長く距離を置いていても、どれほど関係を断ち切ったつもりでいても、戸籍という公的な記録が残っている限り、行政の手続き上は「親族」として名前が挙がりうる──扶養照会は、その現実を突きつけてくる書類でもあります。
照会が来た=「仕送りしろ」という命令ではない
ここが最も重要なポイントです。扶養照会はあくまでも「援助できますか?」という確認であり、直ちに仕送りや援助を強制されるものではありません。
民法877条には「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と定められています。しかし、成人した親族間のこの扶養義務は、一般に「自分の生活に余裕がある場合に、その余力の範囲で援助する」という程度のもの(講学上「生活扶助義務」と呼ばれます)と理解されており、扶養照会の段階で直ちに給与の差押えなどが行われるものではありません。照会が届いたからといって、すぐに仕送りが始まるわけではないのです。
生活保護制度における「扶養」の位置づけ──要件ではなく「優先」
もう一歩踏み込んで、制度の建て付けを理解しておくと不安が減ります。生活保護法では、親族の扶養は保護の「要件」ではなく、保護に「優先して行われるもの」と位置づけられています。かみ砕いて言えば、「実際に援助が行われた場合には、その分を収入として考慮する」という関係であって、「親族が援助しない限り保護は受けられない」という関係ではないのです。
この構造を知っておくと、二つのことが分かります。第一に、あなたが「援助できない」と回答しても、申請者の保護の可否そのものを左右するわけではないこと。第二に、照会に対して求められているのは「できるかできないか」という事実の申告であって、無理をしてでも援助する約束ではないこと。この前提に立てば、事実をありのままに伝えることへのためらいは、かなり軽くなるはずです。
【重要】令和3年の通知改正で「照会しなくてよいケース」が広がった
2021年(令和3年)、厚生労働省は扶養照会の運用を見直す通知を発出しました。この改正により、福祉事務所が「扶養照会を要しない(行うべきではない)」と判断するための考慮要素が、従来より具体的に示されました。代表的なものは以下のとおりです。
- DV・虐待・ネグレクトなどの被害歴がある場合
- 長期間(概ね10年程度)にわたり音信不通が続いている場合
- 接触することで申請者や親族の安全・心身の健康が脅かされるおそれがある場合
つまり、運用の見直しにより、一定の場合には扶養照会を行わない取り扱いが従来より明確化されているのです。ネット上には「扶養照会は断れない」という古い情報も残っていますが、現在の運用は異なります。ただし、最終的な判断は各福祉事務所が個別の事情や提出資料等を踏まえて行うため、「どう伝えるか」が結果を左右する──これがこの記事全体を貫くテーマになります。
封筒の中身を確認しよう──同封されている書類の読み方
自治体により様式は異なりますが、扶養照会の封筒には一般に次のような書類が同封されています。まずは慌てずに、何が入っているかを確認しましょう。
- 扶養照会書(扶養義務者に対する照会書):誰の生活保護申請に関する照会か、あなたとの続柄、回答期限などが記載された本体の文書です。
- 回答書(扶養届書):援助の可否、あなた自身の収入・家族構成などを記入して返送する様式です。「援助できない」にチェックを入れる欄と、理由の記入欄が設けられているのが一般的です。
- 返信用封筒・記入例:返送用の封筒や、記入の手引きが同封されていることもあります。
ここで注目してほしいのは、回答書の理由記入欄の小ささです。数行のスペースに、何年分・何十年分の事情を書き切ることは、まずできません。だからこそ、回答書とは別に「理由書」を作成して添付することが、事情を正確に伝えるための実務上の定石になります。この記事で「理由書」と呼んでいるのは、この添付書面のことです。
また、回答期限は受領から2週間程度に設定されていることが多く、書類が届いてから動き出せる時間は意外と短いのが実情です。「まだ先のこと」と封筒を引き出しにしまい込む前に、まず期限の日付だけは確認しておいてください。
②扶養照会の「よくある誤解」5選──不安の9割は思い込みから
扶養照会に関する情報はネット上に溢れていますが、古い運用を前提とした記述や、不安を煽るだけの不正確な情報も少なくありません。相談の現場でよく耳にする誤解を、先に解いておきましょう。
誤解① 「回答したら、収入に応じて仕送り額が決められてしまう」
扶養照会の回答書には収入等を記入する欄がありますが、これは援助の可否を判断するための参考情報であり、記入した収入から自動的に仕送り額が算定・請求される仕組みではありません。「援助できない」という回答と、その理由を明確に伝えることが、まず優先されるべき対応です。
誤解② 「絶縁しているのだから、そもそも自分は義務者ではない」
残念ながら、事実上の絶縁がどれほど長く続いていても、戸籍上のつながりに基づく扶養義務の枠組み自体は消えません。だからこそ照会が届くのです。ただし前述のとおり、この義務は「余力の範囲での援助」にとどまるものであり、絶縁の実態を適切に伝えれば、照会不要と判断される可能性がある──これが正しい理解です。
誤解③ 「断ると、相手が生活保護を受けられず路頭に迷う」
親族の援助は生活保護の受給要件ではありません。あなたが「援助できない」と回答しても、それを理由に申請者の保護が受けられなくなるわけではないのです。むしろ、できない援助を「できるかもしれない」と曖昧に回答するほうが、双方にとって不幸な結果を招きます。正直に事情を伝えることは、制度が想定しているとおりの対応です。罪悪感を抱く必要はありません。
誤解④ 「無視すれば、そのうち諦めて連絡が来なくなる」
これは後の章(⑧)で詳しく述べますが、無視は「拒否」として記録されません。あなたの事情が何も伝わらないまま「連絡のつかない親族」として処理されるだけで、将来また照会が届く可能性を残すことにもなります。一度きちんと事情を伝えて記録に残すほうが、結果として静かな日常を早く取り戻せます。
誤解⑤ 「役所は冷たいから、どうせ事情なんて聞いてくれない」
福祉事務所の担当者も、令和3年通知を踏まえ、DV・虐待・長期の音信不通といった事情には配慮する運用を求められています。問題は「聞いてくれるかどうか」ではなく、「伝わる形で事情が提出されているかどうか」です。判断材料が整った書面が出てくれば、担当者としても対応がしやすくなる──これが実務の実感です。
いかがでしょうか。5つの誤解に共通するのは、「制度の建て付けを知らないまま、最悪の想像だけが膨らんでいる」という構図です。扶養照会は、正しく理解すれば手順どおりに処理できる行政手続きにすぎません。次章から、その具体的な手順に入っていきます。
③あなたは拒否できる?扶養が難しいと判断されやすい主なケース
以下のチェックリストに当てはまる方は、扶養照会への回答で「援助できない」旨が受け入れられやすい、つまり照会不要と判断されやすい事情を持っている可能性が高い方です。ご自身の状況と照らし合わせてみてください。
ケース① 過去に虐待・DV・ネグレクトがあった
子どもの頃に親から身体的・精神的な暴力を受けた、育児放棄(ネグレクト)があった、経済的に搾取されていた──そうした経験がある方は、令和3年通知でも明示的に考慮される、照会不要と判断されやすい代表的な事情を持っています。
当時の診断書や医療記録、児童相談所・支援機関への相談履歴があれば説得力は増します。ただし、明確な証拠資料がなくても事情を説明すること自体は可能です。「証拠がないから諦めるしかない」ということはありません。重要なのは、いつ頃・どのような出来事があり、現在どのような影響が続いているのかを、可能な範囲で時系列に整理して伝えることです。
ケース② 10年前後、音信不通が続いている
概ね10年以上にわたり連絡を取っていない、相手の住所も知らない、電話番号も変えている──こうした「事実上の絶縁状態」も、照会不要と判断されうる有力な事情です。
10年という年数はあくまで目安であり、絶対条件ではありません。音信不通に至った経緯や背景事情を具体的に説明できれば、期間がそれより短くても考慮されるケースはあります。逆に、期間だけを書いて経緯の説明が抜けていると、判断材料が不足してしまうこともあります。
「音信不通」を裏づける事実としては、たとえば次のようなものが挙げられます。最後に会った(連絡した)時期、転居後に住所を知らせていないこと、電話番号・メールアドレスを変更していること、冠婚葬祭にも出席していないこと、年賀状等のやり取りもないこと。こうした小さな事実の積み重ねが、「事実上の絶縁状態」を客観的に描き出します。一つひとつは些細に見えても、書面に落とし込むと確かな説得力を持ちます。
ケース③ 相手から金銭的・精神的な害を受けている・受けるおそれがある
過去に借金の肩代わりを強要された、執拗なハラスメントを受けた、ストーカー的な接触があった、住所を知られると押しかけてくるおそれがある──こうした状況も有力な事情になります。
役所への理由書では「接触すること自体が危険な状況にある」ことを、感情的な訴えではなく客観的な事実の記述として伝えることが大切です。「怖い」「関わりたくない」という気持ちそのものは正当でも、書面上は「何があったか」という事実で語る必要があります。
このタイプのケースでは、「断ること」と同じくらい「その後の安全」が重要になります。回答をきっかけに居場所を知られないか、接触が再開されないか──この不安への手当て(連絡先の非開示要請、DV等支援措置の併用など)まで含めて設計するのが、適切な対応です。
【注意】「仲が悪い」「会いたくない」だけでは認められないことも
感情的な理由だけでは、福祉事務所の判断が分かれることがあります。「嫌いだから」「関わりたくないから」といった表現のみでは、判断材料として不十分とされる場合があるのです。
ただし、関係の具体的な実態(いつ頃から、どのような経緯で疎遠になったか)を丁寧に書き添えることで、境界線上のケースでも考慮される可能性は十分にあります。重要なのは、感情ではなく「援助できる関係性にない」という事実の記述です。そして実は、この「感情を事実の言葉に変換する作業」こそが、自分で対応する場合の最大の難所になります(詳しくは⑤で解説します)。
複数のケースが重なる場合は、すべて書く──事情は足し算で効く
実際のご相談では、「10年以上の音信不通」と「幼少期の虐待」、「金銭要求」と「精神的ハラスメント」のように、複数の事情が重なっているケースが大半です。この場合、最も強い事情ひとつに絞る必要はありません。むしろ、それぞれの事情を時系列の中に位置づけて示すことで、「なぜ絶縁に至ったのか」「なぜ今も援助できる関係性にないのか」という因果のストーリーが立ち上がり、書面全体の説得力が増します。
ただし、羅列すればよいわけでもありません。判断に効く事実と、感情的な印象しか残さない記述を選り分け、読み手(福祉事務所の担当者)が数分で全体像を把握できる構成に整える──ここが書面作成の腕の見せどころです。
どのケースにも当てはまらない場合の考え方
「疎遠ではあるが10年には満たない」「明確な被害と呼べる出来事はない」──そうした方も、諦める必要はありません。援助の可否は、関係性だけでなくあなた自身の経済状況によっても判断されます。住宅ローンや教育費、自身の家族の生活費などにより援助の余力がないことは、それ自体が正当な回答理由です。関係性の事情と経済的事情を組み合わせて、無理のない範囲で正直に記載しましょう。「余裕がないのに、断る理由を無理にひねり出す」必要はどこにもありません。
「自分のケースは当てはまる?」──判断に迷ったら、その状態のままご相談ください
虐待・音信不通・金銭トラブル…事情の整理から一緒に行います。うまく説明できなくて大丈夫です。
④自分で対応するのは意外と大変──本人対応のデメリットとリスク
「文例があるなら、自分で書いて出せば無料で済むのでは?」──そう考えるのは自然なことです。実際、ご自身で理由書を作成して提出することは可能ですし、それで問題なく処理されるケースもあります。
ただし、絶縁という事情を抱えた扶養照会の対応は、一般的な役所手続きとは負担の質が違います。依頼するかどうかを判断する前に、本人対応の「見えないコスト」を正確に知っておいてください。
デメリット① つらい記憶を、自分の手で文章化しなければならない
理由書を書くということは、封印してきた過去を自分で掘り起こし、時系列に並べ、他人に読ませる文章に仕上げるということです。虐待やDVの経験がある方にとって、この作業自体が大きな精神的負担になります。
実際、「書こうとパソコンの前に座ったが、当時のことを思い出して手が止まった」「数行書いては閉じるを繰り返し、気づけば期限が迫っていた」という声は少なくありません。書けないのは意志が弱いからではなく、それだけ重い出来事だったからです。この負担を見込まずに「自分でやろう」と決めると、後述の期限リスクに直結します。
デメリット② 表現ひとつで、役所の受け取り方が変わってしまう
②の最後でも触れたとおり、福祉事務所は「感情」ではなく「事実」で判断します。ところが、当事者が自分で書くと、どうしても次のような文章になりがちです。
- 「絶対に関わりたくありません」「顔も見たくありません」──気持ちは正当でも、判断材料としては弱い
- 出来事の羅列が感情的になり、肝心の「いつ・何があったか」が埋もれる
- 逆に遠慮して事実を書き切れず、「単に仲が悪いだけ」と受け取られてしまう
同じ事情でも、書き方次第で「照会不要と判断されやすい書面」にも「判断材料不足の書面」にもなります。テンプレートの穴埋めだけでは、この「個別事情の落とし込み」までは埋められません。文例はあくまで骨格であり、成否を分けるのは骨格に載せる中身の質なのです。
デメリット③ 役所とのやり取りが一度で終わらないことがある
理由書を出して終わり、とは限りません。記載内容について福祉事務所から電話で確認が入る、追加の説明を求められる、といった展開は普通にありえます。そのたびに、あの件について役所と話すという負担が発生します。
電話口で予期せぬ質問をされて動揺し、伝えるべきことを伝えられなかった、余計なことを言ってしまった気がして不安になった──本人対応では、こうした事態を防ぐ手立てがありません。窓口対応や電話が苦手な方、仕事中に役所からの電話に出られない方にとって、この「継続的なやり取り」は想像以上の重荷になります。
デメリット④ 回答期限の管理をすべて自分で背負うことになる
照会書には回答期限が設けられていることが一般的です。仕事や家庭に追われる中で、「書けないまま期限が近づく」「期限を過ぎて、意図せず"無回答の親族"として扱われる」というのは、本人対応で最も起こりやすい失敗パターンです。
後述(⑧)のとおり、無回答は「拒否した」ことにはなりません。書けずに放置した結果、事情が何も伝わらないまま手続きが進む──これが本人対応の最大のリスクです。
デメリット⑤ 誰にも相談できないまま、一人で判断することになる
絶縁に至った家庭の事情は、配偶者や友人にも詳しく話していない、という方が非常に多くいらっしゃいます。すると、理由書に何をどこまで書くか、この表現で大丈夫か、といった判断のすべてを、誰の目も借りずに一人で下すことになります。
書面は、書いた本人には妥当に見えても、第三者が読むと印象がまったく違うことがよくあります。感情が強く出すぎている、逆に遠慮して核心が伝わらない──自分では気づけないズレを、確認してくれる人がいない。これが本人対応の構造的な弱点です。守秘義務を負う専門家は、この「安心して見せられる第三者の目」としても機能します。行政書士には法律上の守秘義務があり、ご相談内容が外部に漏れることはありません。
本人対応の「見えないコスト」まとめ
| コスト | 具体的な中身 |
|---|---|
| 精神的負担 | つらい過去の掘り起こし・文章化、役所との継続的なやり取り |
| 品質リスク | 表現の巧拙で判断が分かれる/感情的・説明不足な書面になりやすい |
| 時間リスク | 書けないまま期限超過→無回答扱いで事情が伝わらない |
| 記録リスク | 控え・送付記録・通話メモの管理漏れで「言った言わない」に |
それでも自分で対応したい方へ──最低限のセルフチェックリスト
もちろん、ご自身での対応を否定するものではありません。事情が比較的シンプルで、書面作成に抵抗がない方であれば、本人対応で十分なケースもあります。自分で進める場合は、提出前に次の項目を必ず確認してください。
- □ 「嫌い」「関わりたくない」など感情の言葉だけで理由を説明していないか(事実への変換ができているか)
- □ 音信不通の開始時期・きっかけ・現在の状態が、時系列で具体的に書けているか
- □ 同封の回答書(様式)と理由書をセットで返送する形になっているか
- □ 回答期限までに到着するスケジュールで発送できるか
- □ 控えのコピーと、発送記録が残る郵送方法を確保しているか
- □ 役所から確認の電話が来た場合に、落ち着いて同じ説明ができる準備があるか
一つでも不安が残る項目があれば、その部分だけでもご相談いただく価値があります。「全部任せる」か「全部自分でやる」かの二択ではなく、文面の添削だけ、提出方法の確認だけ、といった部分的なサポートも可能です。
「書くこと自体がつらい」──その作業、代わりに引き受けます
つらい記憶を整理して文章にする作業は、専門家に任せられます。あなたは話すだけで大丈夫です。
⑤行政書士(専門家)に依頼するメリット──書面の質と心の負担が変わる
では、行政書士に依頼すると何が変わるのか。「代わりに書いてくれる」だけではない、具体的な違いを説明します。
メリット① 事情を「役所に伝わる言葉」に翻訳できる
行政書士は、契約書・通知書・各種申請書類など、行政や相手方に「読ませて、動かす」書面の作成を専門とする国家資格者です。あなたの事情を丁寧にヒアリングし、感情の言葉を事実の言葉に翻訳し、令和3年通知の考慮要素に沿った構成で理由書を組み立てます。
「何をどこまで書くべきか」「どの事実を先に置くか」「証拠がない部分をどう補うか」──こうした判断は、書面作成の経験値がそのまま品質に反映される部分です。自分では「大したことではない」と思って省いた出来事が、実は判断上重要な事実だった、ということも珍しくありません。第三者の専門家が聞き取るからこそ、拾える事実があります。
メリット② 行政書士名義の書面で、真剣度と整理の質が伝わる
行政書士が作成した書面には、職印と登録番号を付した名義が入ります。これは魔法の印鑑ではありませんが、「専門家が事情を聞き取り、法的な整理を経て作成した書面である」というシグナルとして機能します。
福祉事務所の担当者にとっても、要点が整理され、必要な事実が過不足なく記載された書面は、判断がしやすい書面です。感情的な長文や説明不足の短文よりも、手続きがスムーズに進みやすくなる──これが名義と品質の実務的な意味です。
メリット③ 「役所と直接やり取りする」負担を最小化できる
依頼後は、書面の作成・体裁・提出方法・控えの管理といった実務を専門家側で整えます。追加確認が想定される点は先回りして書面に盛り込み、やり取りの往復自体を減らします。あなたがやることは、事情を話すことと、完成した書面を確認することだけ。「あの件で役所と話す」時間を、生活からほぼ取り除くことができます。
相談前に準備するものは?──「何もなくても大丈夫」が答え
「相談するなら、事前に書類や資料を揃えなければ」と身構える方がいますが、その必要はありません。届いた照会書の封筒一式(あれば)と、あなたの記憶──それだけで初回相談は成立します。日付が曖昧でも、出来事の順番が前後しても構いません。ヒアリングの中で質問を重ねながら、一緒に時系列を組み立てていきます。
むしろ大切なのは、「話したくないことは話さなくていい」という前提です。書面作成に必要な範囲の事実さえ確認できれば、詳細に踏み込む必要はありません。ご相談の場が、つらい記憶を追体験する場になってしまっては本末転倒です。ペースはあなたが決めてください。当方はそれに合わせます。
メリット④ 早く相談するほど、選択肢と余裕が増える
封筒が届いてすぐにご相談いただければ、回答期限まで余裕を持って、事情の整理→書面化→提出まで落ち着いて進められます。期限ギリギリのご相談や、すでに一度回答してしまった後のご相談にも対応は可能ですが、早期のご相談ほど、取れる選択肢が広がるのは間違いありません。
行政書士と弁護士、どちらに相談すべき?
「こういう相談は弁護士では?」と迷う方もいるでしょう。目安はシンプルです。紛争(争いごと)になっているか、なりそうかで判断してください。
- 行政書士が適するケース:扶養照会への理由書作成、絶縁の意思を伝える書面の作成など、事実を整理して「伝わる書面」を作る段階の対応。本記事のテーマである扶養照会対応の多くは、この段階に当たります。
- 弁護士が適するケース:家庭裁判所での扶養請求調停を申し立てられた、相手方と具体的な金銭交渉・法的紛争が発生している、といった争訟性のある段階の対応。
当事務所では、ご相談内容が弁護士マターと判断される場合には、その旨を正直にお伝えし、適切な相談先をご案内します。「とりあえずどこに相談すればいいか分からない」という段階の交通整理も、初回無料相談の役割のひとつとお考えください。
▶ 費用・サービス内容が気になる方へ
⑥扶養照会の断り方|理由書の書き方3原則と参考文例
理由書を書く前に知っておく3つの原則
- 表現を変換する:「関わりたくない」→「援助できる関係性にない」。感情ではなく事実ベースの表現に言い換えます。書面の説得力は、この変換の精度で決まります。
- 事実を具体的に記述する:「長い間会っていない」ではなく「○年○月以降、一切連絡を取っておらず、現住所も把握していない」のように、時期・内容を明確にします。曖昧な記述は判断材料になりません。
- 第三者資料があれば必ず添付する:診断書、警察・支援機関への相談記録などがあれば、理由書と併せて提出することで信頼性が高まります。なければないで構いません──事情の説明自体は資料なしでも可能です。
以下に3つの文例を示します。文例A(音信不通)・文例B(虐待・DV)・文例C(金銭トラブル・ハラスメント)のうち、ご自身の主たる事情に近いものを骨格として選び、【 】内をご自身の事実に置き換えてください。複数の事情が重なる場合は、③で述べたとおり、時系列に沿って統合して記述します。
【文例A】20年以上の音信不通を理由とする場合
扶養照会に対する回答書
福祉事務所 御中
このたびは、【被照会者氏名】に関する扶養照会書を受領いたしました。以下の理由により、援助を行える状況にないことをご報告申し上げます。
【理由】私と【続柄:父/母/兄弟など】である【被照会者氏名】との間には、約【○○】年以上にわたり一切の交流がありません。【○年頃】を最後に連絡が途絶え、現在は相手方の住所・連絡先も把握しておりません。このような状況から、経済的援助はもとより、援助できる関係性自体が存在しないと判断しております。以上の理由により、今後の照会についても辞退させていただきますよう、お願い申し上げます。
令和 年 月 日 住所: 氏名: (印)
【文例B】過去の虐待・DVを理由とする場合
扶養照会に対する回答書
福祉事務所 御中
【被照会者氏名】に関する扶養照会書を受領いたしました。誠に恐れながら、下記の事情により援助を行える状況にございませんことをご報告申し上げます。
【理由】私は幼少期より【被照会者氏名】から継続的な暴力・精神的虐待を受けており、現在も当該関係者との接触が精神的健康に重大な影響を及ぼす状況にあります。関係を断絶してから【○年】が経過しており、援助できる関係性は存在しておりません。詳細につきましては、必要に応じて面談にてお伝えすることも可能です。ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
令和 年 月 日 住所: 氏名: (印)
※【 】内はご自身の状況に合わせて書き換えてください。
【文例C】金銭トラブル・ハラスメントを理由とする場合
扶養照会に対する回答書
福祉事務所 御中
【被照会者氏名】に関する扶養照会書を受領いたしました。下記の事情により、援助を行える状況にないことをご報告申し上げます。
【理由】私は過去に【被照会者氏名】から、【例:借入金の返済の肩代わりを繰り返し要求される/金銭の無心を伴う執拗な連絡を受ける】などの行為を受けており、【○年○月頃】に連絡先を変更して以降、接触を断っております。当方が連絡先や住所を把握されることで、同様の要求・接触が再開されるおそれが強く、接触自体が当方の生活の平穏を害する状況にあります。以上のとおり、経済的援助を行える関係性にはなく、また今後の照会につきましても、当方の連絡先等を相手方に開示されないよう併せてお願い申し上げます。
令和 年 月 日 住所: 氏名: (印)
提出時の実務ポイント──書き終えてからが本番
理由書は「書いたら終わり」ではありません。提出の仕方を誤ると、せっかくの書面が活きないことがあります。以下の実務ポイントを押さえてください。
- 回答書(同封の様式)と理由書をセットで返送する:様式の理由欄には「別紙のとおり」と記載し、理由書を添付する形が整理として明快です。理由書だけを単独で送ると、様式未提出として扱われる可能性があります。
- 提出前にコピーを取る:回答書・理由書・添付資料のすべてについて、必ず控えを残します。スマートフォンでの撮影でも構いません。
- 記録が残る方法で送る:簡易書留や特定記録郵便など、発送の事実と日付が残る方法が安心です。期限に間に合うか微妙な場合は、先に電話で「○日までに発送する」旨を伝えておくと丁寧です。
- 封筒に差出人住所を書きたくない場合:事情によっては、差出人情報の取り扱いについて事前に福祉事務所へ確認するという方法もあります。住所を知られることへの不安が強い方は、DV等支援措置(後述)の検討と併せてご相談ください。
【重要】文例は「骨格」です──そのままの提出はおすすめしません
上記の文例は書式の骨格を示すものであり、判断を左右するのは【理由】欄に載せるあなた固有の事実です。テンプレートの穴埋めだけの書面は、どうしても「定型文をなぞっただけ」という印象になり、個別事情が伝わりません。特に虐待・DV・金銭トラブルなど複合的な事情がある方は、事実の選び方・並べ方で書面の説得力が大きく変わります。少しでも不安があれば、書き始める前にご相談ください。
あなたの事情に合わせた理由書を、行政書士が作成します
ヒアリング→事実整理→行政書士名義の書面作成まで一括対応。文面の添削だけのご相談も可能です。
⑦「絶縁届」を探している方へ──役所に出す本当の書類
法的な「絶縁届」は存在しない──代わりにできる手続き一覧
ネット検索で「絶縁届」というキーワードを調べた方もいるかもしれません。しかし、日本の法律に「絶縁届」という公式な書類は存在しません。親子・兄弟の縁を法的に消滅させる制度自体がないためです。
混同されやすい手続きを表で整理します。
| 手続き | 何ができるか | 扶養照会への効果 |
|---|---|---|
| 分籍 | 戸籍を親から独立させる | ✗(戸籍が分かれても扶養義務は消滅しない) |
| 改姓 | 姓を変える | ✗ |
| DV等支援措置 | 住民票等の閲覧を制限し、住所を知られにくくする | △(照会自体を止めるわけではない) |
| 理由書の提出 | 「援助できる関係性にない」事情を伝え、照会不要の判断材料を提供する | ◎(最も直接的に有効) |
扶養照会への対応として最も直接的に有効なのは、理由書を提出することです。分籍やDV等支援措置は目的の異なる制度であり、あくまで補完的な位置づけと理解しておきましょう。
「絶縁状」という選択肢──扶養照会を機に、関係を書面で区切る
扶養照会をきっかけに、「この機会に、相手との関係そのものにきちんと区切りをつけたい」と考える方も少なくありません。その手段のひとつが絶縁状(絶縁の意思を伝える通知書面)です。
絶縁状に親子・兄弟の縁を法的に消す効力はありませんが、「今後一切の連絡・接触を望まない」という意思を明確な記録として残すことには、実務上の意味があります。将来の接触や金銭要求に対して「明確に拒絶の意思を示していた」という事実を積み上げておくことは、あなた自身を守る材料になるからです。扶養照会への理由書と絶縁状は目的の異なる書面ですが、状況によっては併せて整えておく価値があります。詳しくは絶縁状の基礎知識と絶縁状の法的効力の解説記事をご覧ください。
住所を知られたくない場合は「DV等支援措置」を検討する
身の安全を守る観点から、住民票の閲覧制限をかけたい方は「DV等支援措置」の申請が有効です。市区町村の窓口で申請でき、DVや虐待の被害者に限らず、ストーカー被害など一定の危険性が認められる場合にも適用されるケースがあります。
扶養照会への回答とは別の手段ですが、「再び連絡が来るのではないか」「住所を知られるのではないか」という不安がある方は、理由書の提出と並行して検討する価値があります。
福祉事務所のケースワーカーに連絡するのも有効な一手
福祉事務所も、申請者と親族双方の事情を確認しながら対応を進めています。担当のケースワーカーに電話一本入れて事情を話すだけでも記録に残り、その後の対応が変わることがあります。書面の準備に時間がかかる場合でも、まず電話で「援助できる状況にない」という意思を伝えておくことは有効です。ただし、電話だけで済ませず、最終的には書面で記録を残すことをおすすめします。
⑧無視・放置するとどうなる?リスクと最善の対処法
ここまで読んで「対応の方向性は分かったが、正直、関わりたくない気持ちが強い。このまま何もしなかったらどうなるのか」と考えている方もいるでしょう。その選択肢のリスクを、正確にお伝えします。
放置しても「拒否」にはならない──無回答のデメリット
「面倒だから無視しよう」「放っておけば諦めてくれるだろう」と考えている方に、知っておいてほしいことがあります。届いた書類を無視しても、それは「援助を拒否した」ことにはなりません。
福祉事務所の記録上は、単に「連絡がつかない親族」として処理されるだけです。あなたの事情──長年の音信不通も、過去の被害も──は、何ひとつ記録に残らないまま手続きが進みます。
また、扶養照会は他の親族(あなたの兄弟や叔父・叔母など)にも同時に、あるいは順次送られているケースが多くあります。あなたが無回答のままでいると、親族間で「あの人はどう回答したのか」と不要な連絡や詮索を招く原因にもなりかねません。書面で明確に「援助できない理由」を伝えることが、結果として、状況を最も早く静かに落ち着かせる方法です。
「回答しない」と「援助できないと回答する」の違いを、表で整理しておきます。
| 無視・放置 | 理由書を提出 | |
|---|---|---|
| 役所での扱い | 「連絡のつかない親族」として処理 | 「援助できない事情のある親族」として事情が記録される |
| あなたの事情 | 何も伝わらない | 音信不通・被害歴などが判断材料として残る |
| 将来の照会 | 再照会の可能性を残す | 記録により以後の対応が変わることが期待できる |
| 心理面 | 「いつまた来るか」という不安が続く | 一区切りをつけて日常に戻れる |
最善策は「書面または電話で意思表示」+「記録を残す」こと
- 書面で提出する場合は、必ず控えを手元に残しましょう。郵送の場合は簡易書留など、送付の記録が残る方法が望ましいです。
- 電話で伝える場合は、日時・担当者名・話した内容のメモを必ず残しておきましょう。
- 書面と電話の両方で対応できれば、より確実です。
行政書士に依頼した場合、この「控え・送付記録・対応履歴の管理」まで含めて実務を整えます。「言った言わない」の不安から解放されることも、依頼の隠れたメリットのひとつです。
期限が近い方・すでに期限を過ぎてしまった方も、まずご連絡ください
状況に応じて、今からできる最善の対応を一緒に整理します。あきらめる前に一度ご相談を。
⑨実際の相談事例に学ぶ──3つのケーススタディ
ここでは、当事務所に寄せられる典型的なご相談を、個人が特定されない形に再構成してご紹介します(複数の事例を組み合わせた架空の設定です)。ご自身の状況と近いものがあれば、対応のイメージを掴む参考にしてください。
事例① 30代女性──幼少期の虐待。証拠は何もない
状況:実父の生活保護申請に伴い扶養照会が到着。幼少期から高校卒業まで身体的・精神的な虐待を受け、進学を機に家を出てから約15年間音信不通。診断書や相談記録などの資料は一切ない。「証拠がないので、書いても信じてもらえないのでは」と数日間動けずにいた。
対応:ヒアリングで出来事を時系列に整理したところ、「高校卒業直後に転居し、以後一度も帰省していない」「携帯番号を変更し、親族の冠婚葬祭にも出席していない」など、虐待の直接証拠がなくても、絶縁の実態を裏づける客観的事実が複数あることが判明。これらを軸に、虐待の経緯と現在の心身への影響を事実ベースで記述した理由書を作成・提出しました。ご本人からは「自分では『怖かった』としか書けなかったと思う。事実として並べてもらえて、初めて書面になった」との言葉をいただきました。
事例② 40代男性──借金の肩代わり要求が続いた兄からの照会
状況:兄の生活保護申請に伴う照会。過去に兄の借金を二度肩代わりさせられ、三度目の要求を断って以降、着信拒否で接触を断っていた。「回答したら住所を知られて、また要求が来るのでは」という不安が最も大きかった。
対応:金銭要求の経緯(時期・回数・金額の概要)を整理した理由書に加え、当方の連絡先・住所を相手方に開示しないよう求める記載を明記して提出。あわせて、万一の接触再開に備えた今後の対応(記録の取り方、通知書という選択肢)についてもご案内しました。「断る」だけでなく「その後の平穏をどう守るか」まで設計するのが、このタイプの案件のポイントです。
事例③ 50代女性──期限を過ぎてから相談に来られたケース
状況:封筒を開けることができず、気づけば回答期限を2週間超過。福祉事務所から確認の電話が入り、動揺してご相談に来られた。
対応:期限超過は珍しいことではなく、この段階からでも対応は可能です。まず福祉事務所へ「事情を整理のうえ書面で回答する」旨を連絡して着地点を作り、その後、通常どおりヒアリング→理由書作成→提出という流れで対応しました。「期限を過ぎたからもう終わり」ではありません。ただし、期限前に動けていれば不要だった電話対応・心理的負担が発生していたのも事実です。迷っている方は、迷っている段階でご相談ください。
⑩ご依頼の流れと費用の考え方
ご相談からご提出までの流れ(最短で数日〜)
- 無料相談(フォームまたはLINE):届いた書類の内容と、おおまかな事情をお聞かせください。この段階で「拒否できる見込みがあるケースか」「どんな対応が考えられるか」の初期的な見立てをお伝えします。
- ヒアリング:お電話・オンライン等で、経緯を丁寧にお聞きします。話しにくい内容は、話せる範囲で構いません。うまくまとまっていなくても大丈夫です──整理するのが専門家の仕事です。
- 理由書の作成:お聞きした事実をもとに、令和3年通知の考慮要素に沿った構成で、行政書士名義の理由書を作成します。完成前に必ず内容をご確認いただきます。
- 提出・記録管理:提出方法のご案内、控え・送付記録の管理までサポートします。ご希望に応じて、DV等支援措置など併用できる手続きのご案内も行います。
モデルスケジュール──封筒が届いてからの14日間
回答期限が受領から2週間程度と仮定した場合の、現実的な動き方の目安です。
- 1〜2日目:封筒の中身と回答期限を確認。この記事のチェックリスト(③)で自分のケースを把握する。
- 3日目まで:本人対応か依頼かを決める。迷うなら無料相談へ──この判断が早いほど、以降の全工程に余裕が生まれます。
- 4〜7日目:(依頼の場合)ヒアリング実施→理由書の初稿確認。(本人対応の場合)事実の時系列整理→下書き作成。
- 8〜10日目:書面の最終確認・押印・コピー取得。
- 11〜12日目:簡易書留等で発送。発送記録を保管。
- 13〜14日目:到着確認。以後、役所から連絡があった場合の対応方針を確認しておく。
逆算すると分かるとおり、「考える時間」に使えるのは実質最初の数日だけです。封筒を前に立ち止まってしまっている方は、その状態のままでもいいので、まず相談という一歩だけ踏み出してください。
費用は「一枚の書面で終わらせる」ための投資
費用の詳細は料金ページにまとめていますが、考え方としてお伝えしたいのは、これは「役所対応に費やす時間・精神的消耗・やり直しのリスク」をまとめて手放すための費用だということです。書面一枚で対応が完結すれば、その後あなたがこの件に心を割く必要はなくなります。初回相談は無料ですので、費用を含めて納得してからご判断ください。無理な勧誘は一切いたしません。
また、ご事情・ご予算に応じて、フルサポート(ヒアリング〜作成〜提出管理)のほか、ご自身で書いた下書きの添削・リライトのみ、提出方法や安全配慮に関するスポット相談のみといった関わり方も選べます。「専門家に頼む=大ごと」ではありません。必要な部分にだけ、必要な分だけ専門家を使う──それで十分です。
⑪よくある質問(FAQ)
Q1. 回答を出したら、相手(申請者)に私の住所や回答内容は伝わりますか?
A. 福祉事務所は、親族の回答内容や連絡先を申請者にそのまま開示する運用は基本的にとっていません。ただし取り扱いの詳細は自治体・案件により異なるため、不安がある場合は理由書に「当方の住所・連絡先を相手方に開示しないよう求める」旨を明記する、DV等支援措置を併用するなどの対応が考えられます。ご相談時に状況に応じてご案内します。
Q2. 「援助できない」と回答したら、相手は生活保護を受けられなくなりますか?
A. いいえ。扶養は生活保護の要件そのものではなく、親族が援助できないことを理由に保護が受けられなくなるわけではありません。「断ったら相手を見捨てることになるのでは」と罪悪感を抱く必要はありません。あなたが正直に事情を伝えることは、制度の想定どおりの対応です。
Q3. 証拠が何もありません。それでも依頼する意味はありますか?
A. あります。証拠資料がないケースこそ、事実の記述の仕方が結果を左右するため、専門家が関与する意味が大きいといえます。記憶を時系列に整理し、客観的に検証可能な事実(転居の時期、連絡手段を変えた時期など)を軸に構成することで、資料がなくても説得力のある書面は作れます。
Q4. 一度「援助できない」と回答すれば、もう照会は来ませんか?
A. 事情が記録されることで、以後の対応が変わることは期待できますが、将来の照会が制度上完全になくなるという保証まではありません。だからこそ、その時々の回答を記録が残る形で確実に行っておくことが重要です。過去の対応記録は、次に何かあったときのあなたを守る資産になります。
Q5. 兄弟のうち私にだけ照会が届きました。なぜですか?
A. 照会は親族に順次・同時に送られることが多いものの、住所の把握状況や申請者からの聞き取り内容によって、届くタイミングや対象に差が出ることがあります。「自分だけが狙われた」わけではありません。他の兄弟がどう回答するかにかかわらず、あなたはあなたの事情に基づいて回答すれば足ります。親族間で回答をすり合わせる義務もありません。
Q6. 理由書に書いた内容が、虐待をした本人に伝わって逆上されないか心配です
A. その不安は当然のものです。理由書には「記載内容および当方の連絡先を相手方に開示しないよう求める」旨を明記する、DV等支援措置を併用するなど、安全面に配慮した設計が可能です。安全に関わる事情がある場合は、必ず最初にお聞かせください。書面の内容だけでなく、提出方法・記載範囲を含めて安全側に設計します。
Q7. 相談したら、必ず依頼しなければいけませんか?
A. いいえ。初回相談の結果、「この内容ならご自身で十分対応できます」とお伝えして終わるケースも実際にあります。相談=契約ではありませんし、無理な勧誘は一切行いません。まず状況を整理し、選択肢を並べたうえで、依頼するかどうかはあなたが決めてください。
Q8. 遠方の福祉事務所からの照会でも対応できますか?
A. 対応できます。理由書の作成は書面のやり取りとオンライン・電話でのヒアリングで完結するため、照会元の福祉事務所や、ご相談者様のお住まいがどこであっても差し支えありません。提出も郵送で行えますので、全国からのご相談に対応しています。
その他のご質問はよくある質問ページにまとめています。
まとめ:あなたの平穏な日常を守るために、まず一通の書類を
この記事でお伝えしたポイントを振り返ります。
- 扶養照会は仕送りの強制命令ではなく、援助の可否を確認する手続きにすぎない
- 令和3年の運用改正で、音信不通・DV・虐待歴などがある場合に照会不要とされうる基準が明確化された
- 拒否するには「援助できる関係性にない」ことを、感情ではなく事実ベースで理由書に記述することが重要
- 本人対応には、つらい記憶の文章化・表現の巧拙・期限管理・役所とのやり取りという見えないコストがある
- 無回答は「拒否」にならず、事情が何も伝わらないまま手続きが進んでしまう
- 行政書士に依頼すれば、事情の整理から行政書士名義の書面作成・記録管理まで任せられる
- 文例は骨格にすぎず、個別事情の落とし込みと表現の質が結果を左右する
- 期限超過後や証拠がない場合でも、取れる対応は残されている──諦める前に相談を
封筒一通が、かつて深く傷ついた記憶を呼び起こすこともあるでしょう。それでも、あなたには自分の生活と心の平穏を守る権利があります。事情を適切な形で伝えることで、扶養が難しい状況として取り扱われる可能性は十分にあります。そしてその「適切な形」を作ることは、あなたが一人で背負わなくてよい作業です。
最後に、ひとつだけ。扶養照会の封筒は、多くの方にとって「終わったはずの過去が、行政手続きという形で現在に割り込んでくる」出来事です。動揺するのも、開封に時間がかかるのも、誰かに話しにくいのも、すべて自然な反応です。だからこそ、この対応は「気合いで乗り切る」ものではなく、手順と書面で淡々と処理してよいものだと考えてください。事実を整理し、一枚の書面にまとめ、記録が残る形で提出する──それだけで、この件はあなたの日常から切り離せます。
書面一枚で、この件をあなたの生活から切り離す。そのお手伝いをさせてください。
相談窓口一覧
- 法テラス(日本司法支援センター):0570-078374/収入が一定以下の方は無料相談・費用立替制度あり
- よりそいホットライン:0120-279-338(24時間・無料)
- 配偶者暴力相談支援センター:各都道府県に設置。DV被害の方向け
- 当事務所(行政書士):初回相談無料・理由書作成から提出サポートまで対応 → 相談フォーム
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この記事の執筆者
行政書士(登録番号:第22080418号)
契約書・通知書などの法的書面作成を専門とする行政書士。絶縁状については、毒親・親族間トラブル・金銭問題など数多くの作成実績があります。「書面一枚で人生の重荷が下りることがある」──その一枚を、確実な形でお届けすることを使命としています。


