【完全版】内容証明郵便の書き方・例文集|ルールから電子での出し方まで徹底解説
「貸したお金が返ってこない」「会社が給料を払ってくれない」「不倫の慰謝料を請求したい」 こうしたトラブルに直面した際、解決への強力な一手となるのが「内容証明郵便」です。
しかし、いざ自分で書こうとすると「1行の文字数は?」「書き間違えたら?」「郵便局に行かないとダメ?」といった細かなルールに直面し、挫折してしまう方も少なくありません。また、安易に自己流で送ったことで、かえって事態を悪化させてしまうリスクもあります。
本記事では、内容証明の基本ルールから例文、電子内容証明(e内容証明)の活用法、そして「自分ですべて行う際のリスク」と「プロに依頼した場合の費用対効果」について、徹底的に解説します。
1. 内容証明郵便とは?送る3つのメリット
内容証明郵便とは、郵便局が「いつ、誰が、誰に対して、どのような内容の手紙を送ったか」を公的に証明してくれるサービスです。
① 決定的な「証拠」が残る
普通郵便では、相手に「そんな手紙は届いていない」「中身は白紙だった」と言い逃れをされるリスクがあります。内容証明郵便(+配達証明)を利用すれば、手紙の存在と到達、そしてその内容を国が証明するため、将来的な裁判の場でも有力な証拠となります。
② 相手に強い心理的圧力を与える
日本郵便という公的な機関を通じ、書留で届く内容証明は、独特の威圧感を持っています。相手に「送り主は本気で法的手続きを考えている」と伝え、無視を決め込んでいた相手を交渉のテーブルに着かせるきっかけになります。
③ 「時効」を一時的に止められる(催告)
債権(お金を請求する権利)には時効があります。時効が迫っている場合、内容証明で請求(催告)を行うことで、時効の完成を6ヶ月間猶予させることができます。この間に訴訟の準備などを進めることが可能です。
2. 絶対に守るべき「作成ルール」
内容証明には、郵便法で定められた厳格な形式ルールがあります。これに違反すると、郵便局の窓口で受理されません。
文字数・行数の制限(紙で出す場合)
一般的な「横書き」の場合、以下のいずれかの形式を守る必要があります。
20文字以内 × 26行以内
13文字以内 × 40行以内
26文字以内 × 20行以内
※縦書きは「19文字以内 × 26行以内」です。
※句読点、記号、カッコもすべて「1文字」として計算します。
使用できる文字と訂正
使用可能: ひらがな、カタカナ、漢字、数字、英字(氏名や会社名、住所等に限る)、一般的な記号。
訂正方法: 修正液や修正テープは厳禁です。誤字を直す場合は、二重線で消し、その上に押印した上で、欄外(上部や余白)に「〇字削除〇字加入」と記載しなければなりません。
3. 【重要】自分ですべてを行う「5つのリスク」
「テンプレートを真似すれば自分でもできそう」と考える方は多いですが、専門家のチェックを通さずに送付することには、目に見えない大きなリスクが潜んでいます。
① 法的な「隙」を与え、逆効果になる
内容証明は、一度送ってしまうと「取り消し」ができません。文面の中で、自分に不利な事実を認めてしまったり、法的に根拠のない過剰な要求(恐喝に近い表現など)を書いてしまったりすると、逆に相手から損害賠償を請求されたり、裁判で不利な証拠として提出されたりする恐れがあります。
② 形式的な不備で受理されない
前述の文字数制限や訂正ルールは非常に細かく、1文字でも計算を間違えると窓口で跳ね返されます。何度も郵便局と自宅を往復することになり、発送までに多大な時間と精神的労力を浪費してしまいます。
③ 相手に「素人だ」と見くびられる
個人名のみで送られた内容証明は、相手にとって「法的な知識がない素人が書いたもの」と映ることがあります。その結果、「どうせ本気で裁判まではしてこないだろう」と高を括られ、無視されたり、不誠実な対応を続けられたりするケースが後を絶ちません。
④ 「e内容証明」の操作ミスによる失敗
パソコンから送れる「e内容証明」は便利ですが、Wordの余白設定やフォントの種類、ファイル形式など、システム上の制約が非常に厳格です。操作に慣れていないと、発送ボタンを押すまでに数時間を要することも珍しくありません。
⑤ 感情的になりすぎて泥沼化する
当事者同士の場合、どうしても文面に怒りや感情が漏れてしまいがちです。攻撃的な言葉を連ねた結果、相手の感情を逆なでし、円満な解決(早期の支払いなど)が遠のいてしまうリスクがあります。
4. 【ケース別】内容証明の例文集(5パターン)
※カッコ内を書き換えて使用してください。ただし、事案ごとに法的な解釈が異なるため、これらはあくまで最低限の雛形です。
事例1:【借金返還の催告】
通知書 私は貴殿に対し、令和〇年〇月〇日に、弁済期を令和〇年〇月〇日として、現金〇万円を貸し付けました。しかし、弁済期を過ぎた現在も返済はなされておりません。つきましては、本書面到着後〇日以内に、下記の指定口座へ合計額〇万円を振り込むよう請求いたします。
事例2:【未払給与の請求】
通知書 私は令和〇年〇月〇日まで貴社にて勤務しておりましたが、〇月分給与(計〇円)が支払期日を過ぎても未払いです。労働基準法第24条に基づき、直ちに下記口座へお振込みください。期限内に確認できない場合は、労働基準監督署への申告も検討いたします。
事例3:【敷金返還の督促】
通知書 物件「〇〇マンション」の退去精算において、通常損耗に含まれるべきクリーニング費用〇円が計上されていますが、ガイドラインに照らせば不当な控除です。正当な返還額〇円を、本書面到着後〇日以内に下記口座へ送金されるよう催告いたします。
事例4:【売掛金の回収】
通知書 令和〇年〇月〇日付で納品いたしました「〇〇制作業務」の報酬〇円について、支払期日を過ぎております。再三の催促にもかかわらず入金がないことは遺憾です。本書面到着後〇日以内に、下記口座まで全額をお振込みください。
事例5:【不倫の慰謝料請求】
通知書 貴殿は私の配偶者と不貞行為に及び、婚姻生活を破綻させました。この精神的苦痛への慰謝料として金〇万円を請求いたします。本書面到着後〇日以内に下記口座へお振込みください。あわせて、今後一切の接触を断つよう厳重に警告いたします。
5. 24時間発送可能!「電子内容証明(e内容証明)」
e内容証明のメリット
ルールが緩和される: 1行の文字数制限がなく、Wordファイルで作成できます。
安くて早い: 郵便局への往復や待ち時間が不要です。
封筒・切手不要: 全てオンラインで完結します。
利用の流れ
日本郵便の「e内容証明」サイトに登録。
指定の雛形に沿ってWordで文書を作成・アップロード。
差出人・受取人の住所氏名を入力。
クレジットカード等で決済。郵便局で自動印刷され、発送されます。
6. 行政書士に依頼するメリットと「2万円」の費用対効果
自分で行うリスクを回避し、解決率を最大化させる方法が、書類作成のプロである行政書士への依頼です。
① 「行政書士名」で出す圧倒的なインパクト
行政書士が作成し、末尾に「行政書士 〇〇 〇〇」という記名と「職印」が押された書面は、相手方に「法的手段を視野に入れた最終警告」として響きます。個人名で送るよりも、相手が弁護士に相談したり、支払いに応じたりする確率が飛躍的に高まります。
② 費用は「2万円程度」で、将来の損失を防ぐ
行政書士に内容証明の作成を依頼する場合の費用相場は、15,000円〜30,000円(ボリュームにより前後)程度です。 「2万円は高い」と感じるかもしれませんが、以下のメリットを考えれば、むしろ安価な投資と言えます。
郵送代行まで込み: 郵便局に行く手間やシステム操作の時間をすべて代行。
法的リスクの回避: 文面のミスで訴えられるような事態を未然に防ぐ。
早期解決: 相手がすぐに支払いに応じれば、裁判費用(数十万円)をかけずに済みます。
③ 法的に整った「隙のない文面」の作成
行政書士は「権利義務に関する書類作成」の専門家です。相手の反論を予測し、それを封じるような論理的な構成で書面を作成します。
④ 心理的負担の軽減
トラブルの渦中にいると、相手の名前を見るだけでもストレスになります。プロに丸投げすることで、あなたは日常の生活を取り戻し、精神的な余裕を持つことができます。
7. まとめ
内容証明は、あなたの正当な権利を守るための強力な武器です。 しかし、その使い道を誤れば、自分自身を傷つけてしまう諸刃の剣にもなり得ます。
「とにかく安く済ませたい、時間はいくらでもある」という方は、ルールを熟読して自分で作成する道もあります。
「確実に相手を動かしたい」「これ以上時間を無駄にしたくない」「失敗したくない」という方は、2万円程度の費用をかけてでも、行政書士に依頼することをおすすめします。
プロが作成する「隙のない1通」が、長引くトラブルを終わらせる最短ルートになるはずです。
「私のケースでは、どのような文面で送るのがベストだろう?」 そうお悩みの方は、まずはお近くの行政書士の無料相談を利用してみることから始めてはいかがでしょうか。

