内容証明で恋人間の金銭トラブルを解決する方法｜口約束の280万円を取り戻すまでの現実的な手続き
tsubamen2022はじめに
恋人との生活の中でお金の貸し借りが発生することは珍しくありません。しかし、愛情関係にあるがゆえに明確な記録を残さず、口約束のまま立て替えや支払いを続けた結果、後に深刻な金銭トラブルへ発展することがあります。長期間の同棲生活や将来への期待の中で相手を信じ、その言葉に従って支払いを続けてしまうと、問題が表面化した時にはすでに大きな金額になっていることもあります。
今回の記事では、恋人間の立て替えや貸付として積み重なった金銭が返済されず、口約束のまま「280万円」を抱えるに至った事例をもとに、どのようにして法的に返済を求め、確実に債権を回収するかを行政書士の視点で解説します。相手との連絡が途絶えた場合の初動、書面化の重要性、強制力のある手続きへの移行を理解することで、同じ状況に悩む方が具体的に動き出せる内容となっています。
この記事でわかること
この記事では、恋人間の金銭トラブルが発生した際に取るべき現実的な対応の順序を理解できます。口約束しかない場合の証拠の扱い、返済の約束を法的に有効な債務へ変える方法、内容証明郵便が果たす役割、公正証書や調停などの制度にどのようにつなげるかについて、全体の流れを把握することができます。感情ではなく事実に基づいた行動が、金銭回収の成否を左右することがよくわかるはずです。
事例（架空事例）
以下は理解を深めるための架空の事例であり、実在の人物や団体とは関係ありません。
三年間の同棲生活の中で、生活費や家賃、光熱費など本来は折半で負担すべき費用について相手が支払いを渋るようになり、「必ず返す」という言葉を頼りに立て替えを続けた。しかし、その約束が果たされることは一度もなく、気づけば記録の中には膨大な金額が積み重なっていた。別れの話し合いの際にようやく全額の認識が一致し、相手は渋々返済を約束した。しかし、その後の連絡は次第に途絶え、最終的には返済の意思が疑わしい状況となった。
信頼していた言葉が信用できなくなった時、相手の誠意よりも事実をどう証明し、どのように法的な手続を進めていくかが何より重要となった。約束という曖昧な形ではなく、返済義務として確定させる方法を専門家に相談しながら検討し、確実な回収に向けて準備を進めた。
法的解説（専門用語３つをわかりやすく説明）
恋人間のトラブルは、契約書が存在しないことが多いため、証拠の形成と手続の進め方が重要になります。まず行うべきは、返済の約束を明確に示した意思表示を記録に残すことです。その手段として最も有効なのが内容証明郵便です。
一つ目の用語は「債務の承認」です。債務の承認とは、相手が返済すべき義務を認める行為を指し、これがあるかないかで後の手続が大きく変わります。口頭で約束しただけでは証拠として弱いため、文書化することで返済義務を確実なものにする必要があります。
二つ目の用語は「公正証書」です。公正証書は公証役場で作成する公的な文書であり、金銭の支払いに関する条項を盛り込むことで、約束が守られなかった場合に裁判を経ずに強制執行へ移れる効力を持ちます。任意の返済が期待できない場合、最も強力な選択肢となります。
三つ目は「民事調停」です。民事調停は裁判所で行われる話し合いの手続で、当事者が合意すれば調停調書という強い効力を持つ書面が作成されます。調停調書も公正証書と同様に強制執行が可能であり、任意の返済が難しい場合には有効な手段です。
これらの制度を理解した上で、まずは内容証明郵便で期限を区切った請求を行い、その後に公正証書または調停で債務を明確化し、強制力のある段階へ進めるのが有効な流れとなります。
総括、まとめ
恋人との関係の中で発生した金銭トラブルは、感情の揺れと深く結びついているため冷静な判断が難しくなります。しかし、生活のために支払った費用や立て替えた金額は、信頼や愛情とは切り離して考えるべき「お金の問題」であり、貸付として法的に扱われるものです。相手の言動に不信が積み重なり、返済が期待できないと感じたなら、早い段階で記録を整理し、法的な対応へ移行することが重要です。
内容証明郵便は相手の逃避を許さず、返済義務を明確にするための第一歩になります。その後、公正証書や調停などに移ることで、口約束ではなく法的に強制できる債務へと変えることができます。愛情の延長として曖昧にしていたことも、法律の場では事実と数字に基づいて整理され、権利として扱われます。感情ではなく制度を味方につけることで、失われた金銭を取り戻す道が開けます。
行政書士に相談をすすめる理由
金銭トラブルの文章作成には、事実の整理と法的根拠の提示が欠かせません。記録のまとめ方ひとつで結果が変わり、文言の誤りによって後の手続に進めなくなることもあります。行政書士は内容証明の文案作成、公正証書に向けた準備、調停申立書の作成などに精通しており、依頼者の立場から必要な証拠整理と書面作成を行うことができます。
相手との連絡が途絶え、約束が守られない状況に不安を感じているのであれば、早い段階で専門家に相談し、正しい順序で手続きを進めてください。感情に振り回されず、自分の権利を守るために制度を活用することが何より重要です。大切な金銭を取り戻し、これからの人生を立て直すための第一歩として、行政書士を伴走者として活用してください。
